電気代の値上げ対策に!
LED照明に交換で省エネも照度も最適化するには?

LEDは従来の水銀灯や蛍光灯よりも省エネ効果が高いので、電気代を大幅に削減することができます。最適な照度のものにすると作業する方の効率もアップします。

水銀灯は生産中止と聞いたので全部LEDへ切り替えたんですが、蛍光灯がまだで…
LEDは一個ずつが高くて予算確保が大変です…

一気に全部LEDに変えるのは大変だと思いますので、段階的に進めていってはどうでしょうか?
ほとんど作業しない場所は最低限の照度基準照明にして導入コストを抑えたり、人の出入りが少ないところに人感センサーをつけてランニングコストを削減したりしながら着実に進めていくといいですよ。

目次

従来の水銀灯や蛍光灯は生産が終了したり、価格が高騰しています。政府は2030年までのLEDへの完全入替えを目標にしているため、タイムリミットはすぐそこまで迫っています。
しかし、材料価格の高騰や新型コロナウイルスの影響により、LEDの価格上昇や納期遅延も起こっています。この機会に、LEDを改めておさらいし、効率よく計画的に導入してみてはいかがでしょうか。

一つでも当てはまる場合は、照明の見直しを検討しましょう。

  • 水銀灯を使っている(生産終了)
  • 蛍光灯・HID器具を使っている(2、3年以内に生産終了予定)
  • LEDに取り替えてから10年近く経過している
  • 照明のスイッチが使いにくい位置にあって、こまめに照明をオン・オフできない
  • JIS照度基準に合わせて最適化したが、作業によっては明るすぎたり暗すぎたりする
  • LEDが暗くなった、点灯しなくなった
  • 照明が壊れてしまった、位置を変更したい

使用電気の削減に

LEDに交換したときの使用電気は、水銀灯の1/5~1/6程度、蛍光灯の1/2~1/3程度に削減できると言われています。もちろん同じ光量を保ちながら使うことができます。

電気代の基本料金の削減に

使用電気が削減されると、毎月の電気代基本料金の計算根拠となるデマンド値も低くなるため、基本料金が安くなります。デマンド値は1年間を通して決まるため、LEDに交換後すぐに基本料金が安くなるわけではないことを覚えておきましょう。

冷房代の削減に

LEDは従来灯と比べて、点灯時に熱くならないのが特徴。照明による室内温度の上昇を防ぐため、冷房効率がアップし、冷房代の削減にもつながります。

JIS照度基準を守りながら最適化

工場の照明については、JIS Z 9110にて最低限の照度基準が設けられています。照度基準は作業環境によって異なりますが、細かい作業や計測器を見る頻度が高い場合などは、最低限の基準を満たすだけでは作業がやりにくい場合があります。
作業者の方と相談しながら、最適な照度を決めていってください。

瞬間点灯は大きなメリット

LEDは瞬時に点灯するため、水銀灯とは違い、作業開始までの待ち時間を削減したり、こまめに消灯して電気代を節約する効果もあります。

交換時のコスト削減

LEDの寿命は約40,000時間以上と言われています。一方、蛍光灯や水銀灯の寿命は長くても12,000時間程度のため、少なくとも3倍以上長持ちします。交換回数が減ると、交換コストも当然下がります。

蛍光灯や水銀灯は、有害物質である水銀を使っているため、水銀使用製品産業廃棄物に依頼しなくてはならなくなりました。そのため、通常の産業廃棄物より処分コストが多くかかりますが、LEDは一般産業廃棄物として処分することができるので処分コストも抑えることができます。

品質管理・衛生面管理にもメリット

LEDは他の照明に比べて虫が寄りづらいと言われています。これは、LEDが紫外線・赤外線をほぼ放出しないためで、商品への虫の混入防止や、紫外線による商品の劣化防止、梱包材焼けなど、品質管理・衛生管理面でもメリットがあります。

地球環境に配慮

LEDは水銀や鉛などの有害物質を含まないだけでなく、消費電力が少ないため、継続的なCO2削減が可能。地球環境に配慮した製品だと言えます。

長期的に考えると、LEDはとってもお得で環境にも優しいんですね!

ここからは、実際にLED照明を導入した場合(豊安工業取り扱い品)の、成功事例を予算や省エネ効果と一緒にご紹介します!

バータイプのLEDを2台1セットに連結!光の広がりと照度の向上により、出荷作業の能率アップ

愛知県碧南市 刈谷紙器株式会社様 
業種:段ボール製造
施工規模:10,000lm 6台/6,900ml 6台/5,200lm 2台
施工時間:4時間/2名

お困りごと

ある日突然、分電盤のブレーカーが落ちて、既存照明が点灯しなくなったと連絡がありました。

調査・応急処置

スイッチ回路ごとに絶縁抵抗計(メガー)で絶縁抵抗を計測して原因箇所を絞り込んでいきました。調査の結果、雨水が一部の照明機器内に侵入して電気回路がショートし、故障・漏電状態になったことがわかりました。スイッチを入れるたびにブレーカーが落ちるので、すぐに機器を取り外し、ブレーカーが落ちないよう応急処置しました。

ご提案内容

故障した機器周辺は、製品出荷のチェックエリアのため、明るさが必要。そこで、照度計算シミュレーション結果から、このエリアを700lxオーバーにできるよう、バータイプのLEDを2台1セットで連結し明るさをアップさせる方式をご提案しました。バータイプLEDの光はよく拡散して広範囲を照らすことができるのですが、1本1本の明るさに限界があるため2本連結することで光の広がりと照度をバランスよく向上できる手法です。

施工担当者のコメント

お客様の製品を一部移動しないと作業車を入れる経路がないため、前日の夕方に移動が必要なところを打合せして移動をお願いしました。結果、スムーズに工事をすすめることができ事故・怪我無く完了できました。

お客様の声

故障も直り、追加でLEDも設置したのでとても明るくなり、出荷作業がスムーズになったとのお言葉をいただいております。

蛍光灯全台の順次LED化は台数が多く費用がかかるため、未使用だった水銀灯をLED化し、工場全体の明るさを底上げ

愛知県知立市 株式会社渡辺工業様 
業種:パイプ加工
施工規模:
・高天井LED 16000lm 400W水銀灯相当 7台
・高天井LED 11000lm 250W水銀灯相当 7台
施工時間:8時間/7名

お困りごと

故障した蛍光灯の順次LED化を、自社の保全部隊が中心となって進められていましたが、低所に多数の蛍光灯が残っているため、どうすればよいかご相談をいただきました。

ご提案内容

すべての蛍光灯を入れ替えるとコストがかかりすぎるため、いったん天井で未使用になっている水銀灯をLED化して、工場全体の明るさを上げてから、低所の蛍光灯で不要と思われる箇所を選定して、随時撤去していく進め方をご提案しました。

施工担当者のコメント

別置き電源不要の電源内蔵タイプLEDを採用し、既設水銀灯の電源ケーブルを活かして足りない分だけ延長したりと、なるべくコストを抑えながら施工させていただきました。既存水銀灯配線を再利用する上で、配線状態や絶縁抵抗などに問題がないかを確認させていただきました。結果、すべての配線が問題なく使えたため、スムーズに作業が進みました。

お客様の声

水銀灯の安定器も撤去してもらい、不要なものがなくなってすっきりし、建屋全体がとても明るくなって作業がはかどるようになりました。工事中はKYミーティングなど安全への配慮や、他設備への養生をきちんとしながら進めてくれたので安心だった、とのお言葉ををいただいております。

水銀灯生産終了のアナウンスにともないすべてLEDへ入れ替え
優先実施する場所を吟味しながら最適配置に

愛知県豊田市 豊田化工株式会社様 
業種:製造業(シリカゲル)
施工規模:
・高天井LED 防塵21200lm 2台
・高天井LED 14900lm 1台
・高天井LED 19600lm 1台
・トラフ型LED 10000lm 4台
・トラフ型LED 6900lm 2台
施工時間:6時間/8名
削減金額:100,000円/年
CO2排出削減量:2.7tCO2/年

お困りごと

年に数回ずつ、故障した照明の入れ替えや、新規増設などでLED化に取り組まれていたお客様。水銀灯の生産終了アナウンスにともない、すべての照明のLED化をご検討されることに。複数の建屋と階があるため、どう進めていいかをご相談いただきました。

調査・応急処置

すべての照明を一律でLED化するとコストも規模も大掛かりになるため、照度が必要な場所から優先的に実施し、あまり行かない倉庫などは安価なタイプのLEDで最低限の照度にするなど、適材適所で進めていけるようご提案しました。
照明の調査結果の図面化や、LED化するとどれだけ電気代削減になるかを検討した「電気削減表」の作成などを行いながら、お見積りさせていただきました。

ご提案内容

工場全体の工事となり交換台数も多く、一日で工事完了するには複数の建屋の同時工事が必要だったため、作業責任者を2名専任し、安全に配慮しながら工事を進めました。
照明の配置変更による電線増設工事での大幅なコストアップを防ぐ手段として、機材と人工を調整しながら設置台数を増やし、照らす範囲を広げることができました。不要な安定器はPCBを含有しないことを確認し、廃棄しました。

お客様の声

都度、照明や設備の相談に乗ってくれたので助かりました。削減できる電気代と工事コストのバランスがよかったとのお言葉をいただいております。

ここからは、豊安工業が行うLED照明工事で、実際によくある質問を紹介します。
参考にしてみてくださいね!

Q
LEDと水銀灯を比較した場合の省エネ効果は?
A

水銀灯からLEDに変えた場合、消費電力は75%程度減、4~10倍程度の高寿命と、大幅な省エネ効果になります。

Q
LEDと蛍光灯を比較した場合の省エネ効果は?
A

蛍光灯からLEDに変えた場合、消費電力は65%程度減、3倍程度の高寿命と、大幅な省エネ効果になります。

Q
LEDは10年もつと聞きますが、本当ですか?
A

LEDの寿命は40,000時間以上のため、一般的な年間休日110日、一日10時間稼働の職場だと、15年程度持つ計算です。自社の稼働に合わせて計算してみるといいでしょう。

Q
LEDの工事ってランプ交換だけではないんですか?
A

工事不要タイプのLEDもありますが、既存の安定器がどういう仕様か確認せずに交換するのは厳禁!ショートや発火など、大事故につながるおそれがあります。必ず既存器具の調査や必要な配線工事を行うようにしてください。ご不明な場合は当社までお問い合わせください。

Q
LEDの導入に工事が必要になるのはどういうとき?
A

工場にLEDを導入するとき、家庭の電球のように球を変えるだけの場面はあまりなくほとんどの場合で電気工事が必要です。

LEDが普及し始めたころは、少しでも安価なLED電球(電球、蛍光管)を採用する場面が多くありました。しかし、すでに10年20年使用した器具を、長寿命のLEDでさらに10年20年(合計40年!?)使うのは、器具の劣化による漏電・火災など安全面の不安があることが認知され、今では器具をまるごと新しいLED製品に取り換えてしまうほうが主流です。

また、工場内の照明器具は家庭用のようなコンセントではなく、電源に電線が直接接続されているので、LED器具に取り換える際、ほとんどの場合で電線工事、電気工事が必要となります。

Q
LED工事って、何をするの?
A

従来の蛍光灯・水銀灯と、LEDとでは発光方法が違います。従来灯は直接電源につなぐと壊れるため安定器をつけて電流を制御していましたが、LEDは安定器が不要になりました。

そのため、従来の安定器を改造する「バイパス工事」か、安定器ごと取り外す「器具交換工事」のどちらかを行う必要があります。どのような工事を行うのかは、LED器具によって変わります。豊安工業では、工場に合わせて最適になるよう、選び方からサポートしています。

Q
LED工事にも補助金が使えるの?
A

2022年3月に「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」がありましたが、設備単位では対象外でした。LEDの普及率が一定に達してきていることから、各補助金でLEDが補助対象外となるケースも出てきています。

1.調査依頼

現地調査依頼フォームよりご相談内容をご連絡ください。改めて担当者よりお打ち合わせ日程のご連絡をいたします。

2.現地調査・ヒアリング

ご担当者様のご同行のもと照明や設備使用状況などを現地調査をし、お悩みをヒアリングします。

3.調査レポート・お見積りのご提出

省エネ効果レポート、お悩み解決へのプランと見積りを提出させていただきます。

LEDの省エネ効果・環境対策は、従来灯を圧倒的に上回ります。使っていない場所の照明の自動消灯や、こまめなオンオフ、スイッチ位置の見直しなど、地道な対策と組み合わせるとより効果的です。よく使う場所はJISZ9110照度基準より少し照度を高めに設定し、あまり行かない場所は最低限の照度にするなど、使用目的・頻度に合わせて工場全体の最適化をするとよいでしょう。
LEDへの切り替えリミットが迫ってきていますが、導入費用が高いからと言って安さにこだわりすぎると、設置後に照度を上げられないことに気づいたケースもあるので、工事内容をしっかり確認しましょう。
この記事が、現場の環境を少しでも改善したい、というあなたの思いを実現するヒントになれば幸いです。

この記事を監修した人

岩田 吉弘

岩田 吉弘

豊安工業株式会社 設計部システム室
資格:第二種情報処理技術者試験、初級システムアドミニストレータ試験
得意分野:IT関連

2012年より遠隔監視システムの導入工事を通じてIoTによる工場管理システムの可能性を発見。2019年からは工場向けIoTソリューションの開発を担当するプロジェクトマネージャーとなり、自動車関連の中小企業の工場の運用を効率化することに貢献している。

工場ペディア監修

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