工場の動力源の主力を担うボイラー。工場が安定的に稼働するための心臓部といっても過言ではありません。水の量や燃焼温度、圧力などの不具合は禁物。工場停止の原因にもなるため、日々の制御やメンテナンスは欠かせないところです。
そうなんですが、給水タンク、軟水器、脱酸素装置、蒸気ヘッダー、バルブ、配管・・・多くの箇所の日常監視・点検が大変なんですよ。
遠隔監視や自動データ集計などで見える化、仕事が安全に効率よく進められるツール「IoT」を導入して予知保全に取り組んではいかがでしょうか。
ボイラー×IoTおすすめ活用方法5選!
1. 本体×IoT:
ボイラー本体の稼働状況を遠隔で監視
ボイラー本体の稼働状況を遠隔で監視するためにIoTを設置します。「運転中」「燃焼中」「停止中」など、ボイラーのステータスを把握したり、負荷率や温度上昇率といったボイラー各種データを取得し、見える化。異常のサインを見逃しません。また、試運転や定期点検時のデータ取りなどにも効果的です。
2. 計器×IoT:
アナログ計器でもカメラで監視可能
圧力計などの計器にIoTを設置します。許容値範囲外になった場合にアラートメールを出したり、圧力の動きを自動でグラフなどにして見える化したりと、工数削減しながら保全活動を行うことができます。カメラでメーターの値を撮影するタイプや、信号出力のあるセンサに置き換えてデータを取るタイプがあります。
3. 流量×IoT:
蒸気流量を見える化
蒸気ヘッダーや配管などにIoTを設置し、蒸気流量を見える化。圧力損失を最小限に抑えたエネルギーマネジメントを行うことで、石油、ガス、固体燃料、電気といった燃料の省エネとカーボンニュートラルにも貢献できます。
4. 水量管理×IoT :
タンクやプールの水量を見える化
液面レベル計や流量センサーなどにIoTを設置し、タンクやプールの水量を見える化します。
水の枯渇や不足をアラート通知して故障を防止したり、適正量が蒸気化されているかなどの分析などにも利用することができます。
5. 水質管理×IoT:
薬品注入量調整の手間削減
水質センサーとIoTを連携させることで、スケール障害、腐食障害、キャリーオーバー障害などの発生原因になる物質を除去する薬品注入量をコントロール。薬品注入量調整の手間削減などの省力化を行いながら、各種障害からボイラーを守ることができます。
無人でも、リモートで監視できるのは便利ですね。
うまく活用すれば、業務効率化できたり、働き方改革などにもつながりそうです。
なかなか気づけない流量や水質なども見える化できるので、大きな改善につながりますよ。
ここからは、実際にボイラー×IoTを導入した企業様の声をご紹介します!
ボイラー×IoT導入企業様 インタビュー
愛知県知立市 化学薬品の研究・開発・製造メーカー様
後付けできる「かんたんIoT接点通知」を導入し
稼働状態を監視
かんたんIoT接点通知は、設備異常をこれまでの回転灯(光)、ブザーを鳴らす(音)などに加えて、メール通知によるお知らせを追加するための後付けIoTシステムです。
ボイラー更新工事にあわせて、IoTをはじめて導入した企業様にご協力いただき、実際のお悩み~課題解決までのリアルな声をご紹介します。
IoT導入のきっかけは?
これまではボイラーに何かあっても、ボイラーが停止して製造現場でトラブルになるか、たまたまボイラー室に人がいるときしか異常に気付けませんでした。ボイラー室には1日3回くらいしか入らないので、終業時にはじめて異常に気付くこともありました。これではいけないので、対策しようと思ったのがきっかけです。
IoT導入にあたっての心配事は?
IoTは初めてだったので、自分たちに使いこなせるかなど、とにかく心配でしたが、やらないと分からないし、やってみたいという思いもありました。
最初はできるだけカンタンに取り扱えるようなものからはじめようと考えていました。
かんたんIoT接点通知を導入して改善された点は?
ボイラー本体が異常停止したときすぐに通知されたので、すぐに駆け付け対処ができました。
すぐに予備のボイラーに切り替えたので、製造現場への蒸気供給が止まることなくトラブルが回避できました。
かんたんIoT接点通知を導入して良かった点は?
パソコンやスマホをずっとチェックしなければならないと思ってましたが、スマートウォッチに通知が来るようにしてもらい、アラートにすぐに気づけて便利です。使っているうちに、通知が来ないときはボイラーは正常なんだな、と思える安心感も生まれました。
今後やってみたいIoT化は?
現場の生産状況がリアルタイムでみえるようなIoTを導入していきたいです。
生産状況の進行状況や遅延を把握することができれば、問題点の改善に活用できたり、営業担当が納期を正確に把握できるようになるなど、コスト削減にも活用できないかと考えています。
また、エアーコンプレッサーを更新する計画があるため、そちらにもかんたんIoT接点通知を追加したいです。
かんたんIoT導入してどうでしたか?
本当によかったと感じています。
ただし、IoTの活用を始めたことで、新たに要望も増えました。当初は取得周期が1分間隔で足りるのか不安でしたが、異常発生が適切に分かればよくて、実際には1分では細かすぎる、もっと大まかでも問題ないことがわかるなど、今後も改善していきたいと思っています。
ボイラー室は現場に比べると足を運ぶ機会が少ないけれど、重要な施設ですよね。
かんたんIoT接点通知が安定生産や改善活動の一助になっているのはうれしいです!
ありがとうございました!
IoT体験ができるショールーム
IoTで何ができる?まずは体験してみませんか?
豊安工業には、ショールームがあり、実際に「かんたんIoT」などの実機に触れてみることができます。機器が設備や配管に設置されているところを確認したり、画面操作やアラート通知などの体験が可能。
また、どの設備からIoTをはじめればいいか、省エネ効果を出すにはどうすればいいか,などの相談にも乗らせていただいています。もちろんご来場は無料ですよ。
実際に触ったほうが早い!と思われましたら、ぜひ豊安工業のショールームにご来場ください。
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工場ペディア編集部からのメッセージ
ボイラー×IoTで、無理なく安定的に蒸気を供給しましょう!
ボイラーは、生産に大きく影響しやすい設備。だからこそ、備えあれば憂いなしですね。
年一回の法定点検や定期自主検査のとき、はじめてボイラーの劣化や損傷などに気づく方もいらっしゃるのではないでしょうか。安定的な生産計画のためにも、監視の工数が減るIoTはおススメです。
また、ボイラー室は、夏場は特に猛暑になります。遠隔監視することで、作業者の負担軽減につながったり、安全性向上にも期待できます。ぜひ、この機会にボイラー×IoTをご検討されてはいかがでしょうか。
この記事が、現場の環境を少しでも改善したい、というあなたの思いを実現するヒントになれば幸いです。
この記事を監修した人
岩田 吉弘
豊安工業株式会社 設計部システム室
資格:第二種情報処理技術者試験、初級システムアドミニストレータ試験
得意分野:IT関連
2012年より遠隔監視システムの導入工事を通じてIoTによる工場管理システムの可能性を発見。2019年からは工場向けIoTソリューションの開発を担当するプロジェクトマネージャーとなり、自動車関連の中小企業の工場の運用を効率化することに貢献している。