省エネ対策で、エネルギー量・CO2排出量の削減を考えています。低コストで出来る良いアイデアはありませんか?
まずは蒸気漏れの対策をおすすめします!
ボイラー点検をしていた時に蒸気配管の漏れを発見しました。これは早めに修理された方が良いですよ。
中小規模の工場ではエネルギー量・CO2排出量の削減につながるのに後回しにしていることが多く、非常にもったいないです。
少量の漏れなら生産に影響ないので意識していませんでした。修理にかけられる費用もないので…
蒸気漏れの対策がどのくらいエネルギー量・CO2排出量の削減につながるんですか?
算出したところ、今回の漏れをボイラーの燃料費にすると約4万円位の損失になると思います。詳細を見積書でご報告しますが、工事費用は約5~6万円位になると思います。ですので1.5年で損失分を回収出来ますよ!さらに、年間CO2削減量予想はおよそ1,811Kg CO2/年です。
提案実例を詳しく見てみてください。
こんなことありませんか?小さな蒸気漏れが燃料費のロスへ
一つでも当てはまる場合は、蒸気漏れ対策を検討しましょう。
- ボイラー稼働時にシューと音がする
- 目安として20年上使用している蒸気配管がある
- 蒸気配管のネジ部より漏れている
- 蒸気配管の漏れがあるが少量なので放置している
- ボイラー室内の温度が蒸気により暑くなっている
特に蒸気漏れやすいところはここ!
まずはこれらの箇所から調べてみましょう。
ネジ接続部
配管の中でも特に鉄の厚みが薄いために、腐食が進みやすくピンホールが発生します。2㎜以上のピンホールの場合は1か所で10万円以上の損失になることもあります。
フランジ接続部
繋ぎ目のパッキンの劣化も漏れが発生しやすい箇所です。
パッキンの材質によっては金属製のボルテックスパッキンのように比較的劣化しにくい物もありますので一度ご検討ください。
バルブ
バルブ等の機器からの漏れも発生しやすい箇所で、特にハンドルの可動部分から漏れることが多いです
スチームトラップ
外側への漏れだけでなく内部的な漏れが起こることも多く、この場合は外観からの検査ではなく、専用の器具を使用して点検する必要があります。
特に診断機を使ったスチームトラップ点検は、定期的に年1回は行うことをおすすめします。
定期的な点検ももちろん承っています!
蒸気漏れ改善の提案事例
ボイラー周辺のフランジ部分の漏れを修理
工事費用の回収は約1.5年
愛知県安城市 自動車部品工場様
年間燃料削減量予想:835N㎥/年
年間削減金額予想:41,226円/年
年間CO2削減量予想:およそ1,811KgCO2/年
見積金額:58,000円
工場の通路に水滴が落ちていた為に上部を確認したところ蒸気配管から蒸気が吹き出していたため、漏れ箇所を確認する為に脚立を使用しました。
蒸気配管のエルボ部分に1㎜程度のピンホールがありそこから蒸気が吹き出していました。
お客様先に報告したところしばらく様子を見るとのことでしたが、見積書の提出時に工事における年間の燃料削減量とCO2削減量を報告したところ、1.5年程で工事費用が回収出来ることが分かり1週間後に工事の実施となりました。
スチームトラップ点検作業中に”蒸気漏れ”を発見
2ヶ所の修理で年間のCO2削減量は3.9t
愛知県西尾市 自動車部品工場様
年間燃料削減量予想:1,787N㎥/年
年間削減金額予想:89,347円/年
年間CO2削減量予想:およそ3,926KgCO2/年
見積金額:258,000円
お客様先より工場全体のスチームトラップの点検を依頼されており、土日に点検を行っていたところ付近の蒸気配管の伸縮継手に2ヶ所ピンホールがあり漏れがあることを発見しました。
また伸縮継手には保温施工をしてありましたが、経年劣化によりボロボロになっていたため週明けに以上のことを報告書にして提出しました。
年間の都市ガス燃料削減量は1,787N㎥で年間のCO2削減量は3.9tであることを伝えたところ伸縮継手取替および保温工事の見積提出依頼につながりました。
燃料削減量・CO2削減量を年間で考えると、数年など短い期間で工事費用を回収できてしまいます。
それに配管が大きく劣化し、蒸気配管取替にかかる費用を考えると、すぐにでも対策をすべき箇所です。
蒸気漏れ点検〜
改善工事の流れ
ここからは豊安工業が検査をする場合の、蒸気漏れ点検〜工事の流れを紹介します。
参考にしてみてくださいね!
1.点検(蒸気配管漏れ調査)
まずは蒸気漏れが起きていないか点検を行います。
2.調査報告・年間の削減量を算出
点検内容をご報告し、漏れの状況から年間削減量を算出します。
3.工事
高所での修理工事も可能です。
よくある質問
漏れている箇所の上流側にバルブがあれば修理は可能です。しかし、経年劣化によりバルブが閉まらない場合もありますので、停止時をお願いしています。
ご予算に合わせて見積書を作成いたします。現場を確認後、無理のない予算範囲でご提案いたします。
保温材は必要です。保温材が無い箇所は放熱によりランニングコストが増大するので、蒸気配管の修理と共に保温材の復旧もご検討ください。バルブやスチームトラップ等の点検が必要な場所には着脱可能な「放熱守るくん」がおすすめです。
弊社では専用の診断機を使用してのスチームトラップ調査も行っており、調査の結果は報告書として提出します。
施工担当者からのメッセージ
省エネ・CO2排出量の削減には、まず蒸気漏れ対策がおすすめ
蒸気配管の漏れは考えている以上に無駄なランニングコストの消費に直結します。
たかがピンホールと思いしばらく放置してしまうと、それが年間数十万円の損失となることも少なくありません。また、漏れが大きくなってからだと工場のライン停止等のトラブルも考えられるため、できる限り早く対策することが得策です。
蒸気配管の修理も漏れている箇所だけ直す方法、周囲の配管も含めた全体更新等工場の稼働状況やご予算に合わせてベストの施行方法を検討させていただきます。まずは点検からお気軽にご相談ください。
この記事を監修した人
石井 建作
豊安工業株式会社 第1プラント管理部
資格:エネルギー管理士、管工事施工管理技士1級、給水装置工事主任技術者、消防設備士甲種1類
得意分野:給排水衛生設備工事
給排水設備、冷却水設備、エアー設備、蒸気設備等の知識に精通。また、プラントにおける熱エネルギー管理について社内やお客様向けの勉強会を行い、教育活動にも携わっている。専門分野は、クーリングタワー、チラー、ポンプ等の冷却水設備工事。主に三河地区の自動車部品工場等の製造業の給排水設備工事及び省エネ・CO₂削減提案を手がけている。