コンプレッサーの吸気温度を下げるとエアー量は増える?仕組みと冷却対策・効果を解説

コンプレッサーに対して、効率を上げる手法はないでしょうか?
インバーターや台数制御を組み込みましたが、他に何かあるのでしょうか?

その場合、吸気温度を下げて、空気量をUPする方法があります。
空気は温度が高いと膨張して密度が下がるため、同じ回転でも温度が低い方が取り込める空気の量が増えますよ

なるほど…吸気温度を下げればエアー量は増えるということですか?

その通りです。吸気を冷やすだけで、コンプレッサーの負担を抑えながら有効なエアー量を増やせます。40℃から30℃に吸気温度を下げられれば、3%効率が上がります。

目次

夏場や高温環境は、コンプレッサーにとって、良いことがあまりありません。
空気温度が上がる事により、空気密度が低くなり、エアー量は冬場に比べて減少し、熱い空気を入れることにより圧縮空気温度も上がり、ドライヤーやクーラーの高温異常といった付帯設備についても影響が出ます。

  1. エアー量が不足する
     温度上昇で空気密度が低下し、同じ回転でも取り込める質量が減るためです
  2. コンプレッサーが高温停止しやすい
     吸気温度が高いほど圧縮後温度も上昇し、異常停止のリスクが高まります
  3. ドライヤーやクーラーの負荷が増える
     高温の空気を処理するため、付帯設備の負担が大きくなります
  4. 「仕方ない」と思われやすい
     外気温の影響と考え、対策が取られていないケースが多いです

コンプレッサーの排気にダクトをつけることは多いですが、コンプレッサーの吸気側にダクトを設置することは少ないため、熱い空気がコンプレッサーに入ります。

空気は目に見えませんが、温度の影響は非常に大きいです!

確かに“設備の問題”ではなく“環境の問題”と考えていませんでした。

業種:自動車部品製造
地域:豊田市
工場規模:1,000人
工期・体制:1週間・20人程度
予算:500万円

問題点

省エネ施策を検討する中で、インバーターや台数制御といった施策を行う中で、新たな改善ネタが見つからず、相談を受けました。

改善内容

吸気温度に着目し、外気や周辺環境の影響を受けにくい形で空気を冷却する設備を導入しました。
吸気温度を下げることで空気密度を高め、同一運転でも取り込める空気量を増やす設計としています。「人ではなくコンプレッサーを冷やす」という視点で設備改善を行った点が特徴です。

お客様の声

これまで見落としていた「吸気温度」という観点で改善できたことに驚きがありました。
大きな設備更新をせずにエアー量を増やせるため、省エネ施策として検討しやすい内容でした。また、吸気冷却設備の稼働に必要な電力や水も、コンプレッサー本体に比べればわずかで済み、安心して運用できる点も評価されています。

吸気温度対策はシンプルですが、効果を出すにはいくつか押さえるべきポイントがあります。

  • コンプレッサー設置環境の見直しが最優先
     高温環境では効果が出やすいため、まず現状温度を把握します
  • 冷却対象は「吸気」であることを意識
     吐出側ではなく、取り込む空気の温度を下げることが重要です
  • 設備能力に応じた機器選定が必要
     コンプレッサー能力により必要な冷却規模は変わります
  • フィルター清掃など日常管理を怠らない
     目詰まりは吸気効率を下げるため、定期メンテナンスが重要です
  • 暑い環境では設備自体の冷却も検討
     周囲温度が高い場合は、機械全体の冷却も効果的です
  • 排気ダクト設置により、熱を外へ放出する
     せっかく吸気温度を下げたのに、部屋内に排気していては、結局室内温度の上昇につながります
Q
設置するとどんなメリットがありますか?
A

空気密度が上がることでエアー量が増え、同一電力でも効率よく運転できます。その結果、CO2削減にもつながります。

Q
導入には何が必要ですか?
A

電源、水、そして機器を設置するスペース、コンプレッサーまでの吸気ダクトが必要です。既設環境に応じたレイアウト検討が重要です。

参照:広い工場内での暑さ対策!エアコンやスポットクーラーよりも省エネなアイテム「アクアクールミニ」

夏場の作業環境には涼風機の「アクアクールミニ」がおすすめです。
スポットクーラーと同じ冷却能力であっても消費電力は80%も削減可能!他製品との効果・消費電力を比較した結果も紹介中です。

修理から仕組み化へ、エアー管理の次の一手

エアー設備の改善というと、機器更新や漏れ対策に目が向きがちです。
しかし今回のように「温度」に着目することで、既存設備のままでも効率を高めることができます。

特に夏場の高温環境では効果が出やすく、省エネやCO2削減にもつながります。今後はカーボンニュートラルや持続可能な工場運営が求められる中で、こうした細かな改善の積み重ねが重要になります。まずは自社のコンプレッサー周辺の温度環境を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を監修した人

高須 康太郎

高須 康太郎

豊安工業株式会社 プラント管理部2課 課長
資格:1級管工事施工管理技士
得意分野:給排水衛生設備工事

製造業を中心とする食品工場や自動車部品工場、中小企業から1部上場企業まで幅広いクライアントの建物の改修や新築工事における給排水衛生設備工事を多く経験している。社内での教育活動やお客様向けの勉強会においても、その専門知識を活かし給排水衛生設備工事について指導している。

工場ペディア監修

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