工場の漏電ブレーカーが落ちる!危険な漏電の原因調査と点検・対策の方法

工場や倉庫の漏電ブレーカーがたびたび落ちるのは、機器や配線からの漏電が原因です。

漏電は絶縁劣化が原因で発生します。漏電をそのままにしておくと停電によって生産停止するだけでなく、感電や火災といった重大事故発生につながるとても危険な状態なので早急な改善対策が必要です。

漏電による工場火災はたまにニュースで見ますが他人ごとではないですね!

絶縁抵抗は専用の計測装置(絶縁抵抗計・メガー)で測れることは知っていて機器も持っています。しかし実際にはブレーカーが落ちたり設備が動かないなどトラブルが起きてからしか調べていませんね・・・

機器や配線の経年劣化による漏電はどうしても起きてしまいます。停電や火災などの重大事故が起きる前に漏電に気づくのが一番の事故防止対策になります。

絶縁劣化の調査方法と、IoTによる自動点検の方法がありますのでご紹介しましょう!

目次

原因1 電線の被膜の破損

電線の被膜は絶縁体と呼ばれ、漏電を防ぐ役割があります。この被覆が破れていたり、コンセントやプラグの破損により電線の中の導線が見えている状態だと、そこから漏電が発生します。被膜の破損は経年劣化によるヒビ割れのほか、物をぶつけて傷つけてしまったなど物理的な衝撃でも発生します。目視では大丈夫そうでも、見てわからないほど小さな裂け目で漏電している場合もあります。

原因2 設備や機器の水濡れ

設備や配線が雨で水没してしまったり、工場内で生産や清掃の水がかかるなどして水でぬれてしまった場合にも漏電が発生します。設備や電線が水で濡れることで絶縁抵抗が低下して漏電が発生します。またポンプのように常に水気にさらされる設備は経年劣化が早く進行して漏電が発生することもあります。

雨の日や水気のある設備だけよく漏電ブレーカーが落ちるのは気のせいじゃなかったんですね!

漏電ブレーカーが落ちる

絶縁抵抗が劣化し漏電している状況になると、ブレーカー(漏電ブレーカー・ELB※)が落ちて電気がこなくなる状態=停電が発生します。停電して初めて漏電に気づくパターンが一番多いかもしれません。

※漏電ブレーカーとは 漏電遮断器 (ろうでんしゃだんき)または漏電ブレーカー・ELBといい、漏電による漏れ電流を検出して電気を自動的に遮断する機能をもつブレーカーのこと

従業員が感電事故にあう

漏電していることに気づかず設備や配線に人が触れると感電災害につながる恐れがあるため非常に危険な状態です。早急な対策が必要です。

工場火災の原因となる

漏電によって意図しない箇所に電気が流れると火花が発生したり電線が発熱・発火する場合があります。これらが燃え移ることで火災発生の原因となります。

漏電ブレーカーが落ちたけど戻せば使えるから・・・は感電事故や火災につながる大変危険な状態と言えます。必ず漏電箇所の特定と対策を実施してください。

漏電=絶縁抵抗が劣化している状態

絶縁抵抗とは設備や配線から意図しない電気が漏れて流れ出ないようにする性能のことです。絶縁抵抗が高ければOK、低い状態は電気が漏れている状態となり「絶縁が劣化した」「絶縁不良」などと言います。そして電気が漏れ出している状態を「漏電している」と言います。

絶縁抵抗の劣化はどうやって調べる?

目視では絶縁抵抗が劣化しているか、漏電が発生しているかはわかりません。メガー(絶縁抵抗計)という専用の計測器を用いて計測することで絶縁抵抗の劣化具合を調べます。

メガーで計測すると正常な場合の数値は「∞(無限)」を示し、絶縁不良の状態であれば数値は「0」になるので、この数値を確認することで劣化レベルを判断することができます。

しかし逆に言うとメガーをつかった点検を定期的に実施しない限り、絶縁抵抗の劣化レベルを把握することは難しいでしょう。

漏電は絶縁抵抗計(メガー)で調べる

不具合がなにも起きていないのに従業員や業者さんに点検を依頼するのは正直、頼みづらいです。調査するには費用もかかってしまいますし・・・

問題が起きていない時に調査をためらうお気持ちはよくわかります。でも、問題がない・安全に使える状態であることを確認するために行うのが点検の目的です。

それなら、人の手を使わずIoTで絶縁抵抗計測を自動点検する「かんたんIoT絶縁抵抗」はいかがでしょう。

なるほど、自動で定期点検してくれるなら、楽でいいですね! でもIoTは難しいイメージが・・

機械が勝手にやってくれるから調査が頼みづらいこともありませんよ!

「かんたんIoT絶縁抵抗」は、本当にかんたんに使えるIoTなんですよ!

かんたんIoT絶縁抵抗

「かんたんIoT絶縁抵抗計測」は、モーターやポンプなどの設備・配線の絶縁抵抗値の測定を自動化、絶縁不良による突発的な機器停止トラブルや感電事故を未然に防ぐ予知保全のためのIoT機器です。

絶縁抵抗の計測は高精度なメガー方式で、漏電の予兆となる絶縁の劣化し始めを正確に特定することができます。

計測タイミングは設備が停止したタイミングで自動開始するため、人による操作は不要です。「かんたんIoT絶縁抵抗」機器を設置するだけで自動点検できるようになります。

計測結果はグラフでチェック

計測した絶縁抵抗値はクラウドへ自動記録、グラフ化されるので手間がかからないのがIoTの良いところ。パソコンやスマホで計測結果をチェックすることができます。

ログを見て絶縁劣化の原因分析をして修理タイミングを適切に決めるといった予知保全によって余分な保全コストを削減することが出来ます。

計測結果に”しきい値”を設定できるので、絶縁抵抗の悪化が始まったタイミングをEメールでお知らせします。これなら毎日クラウドをチェックしなくても絶縁劣化を知ることが出来ます。

異常発生をメールでおしらせ!

劣化に気づいて計画的に対処するのと、停電してから慌てて対応するのとでは大違いです。適切なメンテナンスによって生産停止ロスが無くなればコストダウンにもなりそう!

「異常をメールでお知らせする機能」が欲しくてIoT導入を検討したいというご相談が多いですね。実際にIoTを導入したお客様からは「メールが来ない=問題がない」という逆の安心感を得られたのが良かったと言われて、なるほどそうかも!と思いました!

かんたんIoTシリーズは通信やクラウドの設定を弊社ですべて行ってから出荷します。

取り付けたその日からIoT点検がスタートできちゃいます。

社内にインターネットやクラウドに詳しい人がいないので面倒な設定いらずで使えるのはいいですね!

ほかにもIoTを現場で導入しやすくする為の様々な工夫を以下でご紹介させていただきます!

工場内の水やホコリのある場所でも安全にお使いいただけるよう、本体は計測部と通信部どちらも防塵・防滴仕様のBOXとコネクタを使用。

1)計測ケーブルをブレーカーとアースへ接続

2)計測トリガーとなる接点信号を接続

3)本体をAC電源へ接続、電源ON

これだけでIoT測定を開始できます。

絶縁抵抗の測定装置はメガー方式と同等の高精度で絶縁抵抗を監視できるIRSシリーズ(竹中電機)を採用。機器やメーカーを問わず、幅広い対象機器の測定に対応しています。

通信およびクラウドはPUSHLOG(GUGEN)を採用。安定した通信と直感的でわかりやすいクラウド画面が特徴のIoTゲートウェイです。弊社で初期設定してから出荷するので、取付たらすぐに計測を開始できます。ネットワークやクラウドの専門知識は不要です。

絶縁抵抗の測定結果はクラウドに保存され自動でグラフ化されます。グラフはパソコンやスマホ、タブレットで見ることが可能。直近グラフや過去48時間グラフなどに切り替えてみることができるので、原因分析を手間なく行えます。

測定台数は1台から複数台の同時計測が可能。モーター、ポンプ、搬送機、生産設備の各種モータの絶縁測定のほか、ヒーター、発電設備など、さまざまな用途でお使いいただけます。

モーターが回って、止まったタイミングで自動計測スタート!または内蔵タイマーで定期的な計測も可能なので夜間のみ計測、動かない設備の定期点検、といった使い方も可能です。

※タイマー計測は設備が停止しているときのみ実施

初回導入費用のなかに2年分の通信費とクラウド使用料こみなので、わずらわしい毎月のお支払いや契約は不要です。3年目以降は1年毎の契約となりますので、まずは使い始めてみて継続使用の場合のみ延長契約していただくことが可能です。

クラウドへの通信回線は内蔵eSIMによる4G-LTE通信を使用。IoT向けのSSLによるセキュリティ層を付加したMQTTS通信を行うことで、セキュリティを確保しています。社内LANや社内サーバーを使用しないセキュアな通信環境を構築しているため、社内へのウイルスの侵入やハッキング、情報流出のおそれがありません。

ここでは「かんたんIoT絶縁抵抗」を実際に導入して改善されたお客様の事例をご紹介します。

モーターが絶縁劣化し漏電、たびたびブレーカーが落ちて生産停止でお困りのお客様からのご相談をIoTで解決した事例です。

愛知県 溶融めっき業 製造ライン

搬送用クレーンのモーターの絶縁抵抗値

水槽の上にある搬送用クレーンのモーターが湿気が原因で絶縁劣化するのが早い。漏電による停電が発生すると生産がストップしてしまうが、自動生産設備と連動して常に動いているため、たびたびクレーンを止めての絶縁計測が難しい。

モーターの絶縁劣化を調べることで適切な交換サイクルを把握したい。絶縁劣化のレベルに応じて、停電トラブルなどの問題がおきる前にモーターメンテナンスを行えるようにしたい。

クレーンが複数台あるが、とくに頻繁に絶縁劣化が起きている箇所のモーター1台を「かんたんIoT絶縁抵抗」で自動計測・監視することで絶縁劣化の傾向を見つけることとした。

IoTの導入自体が初めてなので、いきなり全部ではなく、まずは一つやってみて徐々にIoTに慣れていくこととした。

クレーン停止のタイミングで自動計測するので生産を止めずに点検ができるようになった。
グラフで簡単に絶縁抵抗の劣化具合を把握できるので、経年劣化にくわえて雨の日や週初め(冷却による結露か)など悪条件がかさなったときに著しく絶縁抵抗が悪くなり、漏電ブレーカーが落ちていることがわかった。
これまで漏電ブレーカーが落ちても時間を空けると復旧できたのでだましだまし使って、全く動かなくなったときにあわてて交換していたが、今後は大きなトラブルになる手前で計画的にメンテナンスを行えるようになった。

クレーン停止による生産の遅れをとりもどすのに残業や休日出勤があったが、そういった無駄がなくなっていくことでIoT導入コストはすぐに回収できそうである。
今後、同様の問題をかかえるクレーンのモーター監視も順次IoT化していきたいと思えるようになった。

かんたんIoT絶縁抵抗(1点計測): 42万円
 ・本体(通信ユニット、計測ユニット)
 ・絶縁抵抗計測 x1点(三相)
 ・通信費・クラウド使用費 2年間分を含む

取り付け工事費: お客様取付

(価格は税別)

設置は簡単だったので自分たちで取り付けできました。クラウドで計測データを豊安工業さんにも見てもらうことができ、気になることがあればデータを見ながら電話やメールでスムーズに打合せできるのも今の時代らしい、すごく便利な機能だと感じました。

スマホでデータを見たり、オンラインで打合せしたりといったことに抵抗のない人が増えてますからね!便利なものはどんどん使っていきましょう!

計測対象の設備と配線のブレーカーに計測用ケーブルと、アースの取れる箇所にケーブルをつないで、あとは本体用の電源を接続するだけだったので、自分たちで簡単に設置ができました。

取り付けが簡単ということは、取外しも簡単です。他の場所でも計測してみたい箇所があったので移設して計測することができました。またそれによって社内のいろいろな人の目にふれることで、IoTの便利さが口コミで広がっていっています。

通信やクラウドの基本設定、通知メールの設定など必要な設定は、事前に打ち合わせておけば豊安工業で設定してから出荷されるので、設置してすぐに計測をスタートすることができました。設定変更もクラウド画面で直感的に簡単に操作できるので、詳しい知識やネットワーク専任の担当者がいなくても大丈夫でした。

計測結果の確認は、数時間や数日単位に切替できるグラフが自動作成されるので、Excelでグラフをつくるなどの手間がないのが圧倒的にらくちんです。パソコンだけでなくスマホでも見られるので現場でリアルタイムの計測結果や過去のデータを確認しながら原因や対策を考えられるのも、IoTならではの便利さです。

IoTによる計測は楽で便利なので一度使い始めると手放せなくなるようです。これかれもどんどん導入が進むといいですね!

豊安工業には、ショールームがあり、実際に「かんたんIoT」などの実機に触れてみることができます。機器が設備や配管に設置されているところを確認したり、画面操作やアラート通知などの体験が可能です。
また、どの設備からIoTをはじめればいいか、省エネ効果を出すにはどうすればいいか、などの相談にも乗らせていただいています。

ショールーム
体験型ショールームのご案内
実際の工業と同じ設備を稼働させて、IoT機器をはじめとした計測装置を動かして体験できるショールームの紹介チラシです。

絶縁劣化の予知保全を実現、かんたんIoT絶縁抵抗計測

漏電は停電のみならず、感電事故や工場火災につながる大変危険なものです。

「かんたんIoT絶縁抵抗計測」なら、工作機械に搭載されている各種モーターやポンプ、配線ケーブルなどの絶縁抵抗監視をIoTにより自動化、保全コストの削減および保守用在庫品のコスト負担を低減し、絶縁不良による突発的な停電による機器停止や感電事故を未然に防ぐことができます。

IoTにつきものの難しい通信設定やクラウド構築の知識は不要、現場で測定対象につなぐだけですぐにIoT計測をスタートできます。

絶縁劣化をお知らせするアラームメール送信で「いつのまにか劣化していた」「停電してから気が付いた」をなくします。

かんたんIoTで手間なく自動点検、予知保全を実現しましょう。

この記事を監修した人

岩田 吉弘

岩田 吉弘

豊安工業株式会社 設計部システム室
資格:第二種情報処理技術者試験、初級システムアドミニストレータ試験
得意分野:IT関連

2012年より遠隔監視システムの導入工事を通じてIoTによる工場管理システムの可能性を発見。2019年からは工場向けIoTソリューションの開発を担当するプロジェクトマネージャーとなり、自動車関連の中小企業の工場の運用を効率化することに貢献している。

工場ペディア監修

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