
夏になると、エアードレンが急に増えて困っています。最近はエアーブロー時に水分が混ざることもあり、生産ラインへの影響が心配です!

その症状は、エアードライヤー能力不足やコンプレッサー室の高温化が原因かもしれません。特に設備増設後や猛暑時は発生しやすいですね。

エアードライヤーは設置しているので安心していました。能力不足ということもあるのでしょうか?

あります。実際には「今の使用量に合っていない」「周囲温度が高すぎる」といったケースが多いです。設備全体を見直すことで改善できる場合があります。
夏場のエアードレン増加で起こりやすい現場トラブル
夏場は空気中の湿度が高くなるため、圧縮エアー内の水分量も増えやすくなります。
その結果、エアードライヤー能力不足や配管内のドレン増加が起こり、生産現場へ影響が広がることがあります。
特に、「以前は問題なかったのに最近増えた」という場合は、設備能力と現場条件が合わなくなっているかもしれません。
よくある困りごと
- エアーブロー時に水分が混入する 異物付着や塗装不良につながる場合があります。
- エアー圧力が安定しない ドレン滞留によって圧力低下が起こることがあります。
- 空圧機器が誤動作する シリンダやバルブ内部へ水分が入り込む場合があります。
- フィルター交換頻度が増える ドレン量増加で保全負担が大きくなります。
- 夏場だけ症状が悪化する 高温環境でドライヤー性能が低下することがあります。

夏だけ発生するので、原因が分かりにくいですね。

そうですね。特に設備増設後は、知らないうちに処理能力不足になっていることも多いです!
エアードライヤー増強で生産ラインの不良を改善
愛知県三河エリアの自動車部品工場で行ったエアー設備更新事例
業種:自動車部品工場
地域:愛知県三河
工場規模:300人
施工規模:75kw用エアードライヤー2台増強更新、エアー配管工事、電気工事
工期・体制:5人×4日
予算:600万円
問題点
既設エアードライヤーの能力不足により、夏場になると生産ライン内でエアードレンが大量に発生していました。エアー品質が安定せず、水分混入による不良も発生。設備増設によって使用エアー量が増えていたものの、既存設備のまま運用していたため、特に高湿度時期に症状が悪化していました。
改善内容
現場調査を行った結果、工場全体の使用量に対してエアードライヤー能力が不足していることが判明しました。そこで、使用条件に合わせて75kw用エアードライヤーを1台から2台へ増強更新。さらに、エアー配管の口径等の見直しやエアーフィルターの設置を含めた工事も合わせて実施し、設備全体として安定供給できる構成へ見直しました。
お客様の声
改善後は生産ラインで発生していたエアードレンが減少し、エアー圧力も安定しました。以前は夏場になると不良対応へ追われることがありましたが、現在は設備停止への不安も減っています。現場からも「設備全体が安定した」という声が出ています。

コンプレッサー室の温度対策でエアー品質を改善
愛知県尾張エリアの食品工場で行った高温対策事例
業種:食品
地域:愛知県尾張
工場規模:100人
施工規模:大型換気ダクト設置工事
工期・体制:3人×2日
予算:200万円
問題点
コンプレッサー室が高温状態となり、夏場になると工場内でエアードレンが増加していました。特に食品工場ではエアー品質への要求が高く、水分混入による品質低下リスクが問題になっていました。室温上昇により、エアードライヤー性能が十分発揮できない状況でした。
改善内容
調査の結果、コンプレッサー室内に熱気が滞留していることを確認。そこで、大型換気ダクトを設置し、室内の排熱効率を改善しました。コンプレッサー周辺温度を下げることで、エアードライヤーが本来の性能を発揮できる環境へ見直しています。
お客様の声
改善後はコンプレッサー室内の温度が下がり、エアードレン発生も減少しました。以前は夏場になると品質トラブルへの不安がありましたが、現在は安心して運転できています。現場巡回時の暑さも軽減され、保全作業の負担低減にもつながっています。
エアードレン対策で重要な成功ポイント
エアードレン対策では、単純にドライヤーを交換するだけでは不十分な場合があります。
実際に改善できた現場では、「設備能力」と「設置環境」の両方を見直しています。
成功した現場に共通していたポイント
- 工場規模や使用量に合わせた設備選定
将来的な増設も考慮しておくと安心です。 - 複数コンプレッサーの連結運転
使用量が多い工場では省エネ効果も期待できます。 - コンプレッサー室の温度管理
高温環境はドライヤー性能低下につながります。 - エアーフィルターの状態確認
目詰まりによる能力低下も注意が必要です。
よくある失敗・注意点
- コンプレッサー能力だけで判断してしまう
- 夏場条件を考慮せず選定してしまう
- 設備増設後も既設ドライヤーを使い続ける
- 排熱対策を後回しにしてしまう

よくある質問
必ずしも改善するとは限りません。使用流量や室温条件によっては、コンプレッサーや換気設備も含めた見直しが必要です。
はい、対応しています。コンプレッサー・エアードライヤー・配管を含め、現場に合わせた提案を行っています。
工事規模にもよりますが、3か月以上前に相談しておくと設備選定や工程調整を進めやすくなります。
工場ペディア編集部からのメッセージ
夏場のエアー品質低下は「設備能力不足」のサインかもしれません
エアードレン増加は、単なる水抜き作業の問題ではありません。品質不良や設備停止、余分な電力消費につながることもあり、工場全体へ影響するケースがあります。
特に近年は猛暑の影響もあり、以前は問題なかった設備が夏場だけ能力不足になるケースも増えています。そのため、コンプレッサー・エアードライヤー・配管・換気まで含めた総合的な見直しが大切です。
結果として、省エネやCO2削減にもつながり、持続可能な工場運営やBCP対策にも役立ちます。夏本番を迎える前に、一度エアー設備全体を確認してみてはいかがでしょうか。

この記事を監修した人

石井 建作
豊安工業株式会社 営業部営業課 課長
資格:エネルギー管理士、1級管工事施工管理技士、給水装置工事主任技術者、消防設備士甲種1類
得意分野:給排水衛生設備工事
給排水設備、冷却水設備、エアー設備、蒸気設備等の知識に精通。また、プラントにおける熱エネルギー管理について社内やお客様向けの勉強会を行い、教育活動にも携わっている。専門分野は、クーリングタワー、チラー、ポンプ等の冷却水設備工事。主に三河地区の自動車部品工場等の製造業の給排水設備工事及び省エネ・CO₂削減提案を手がけている。




