冷却水送水ポンプの省エネ更新とは?台数制御からインバーター化で電力・CO2・保全負荷を見直す方法

冷却水の送水ポンプ、今は台数制御で回していますが、これが一番省エネなのか自信がありません…
電気代も上がっていますよね。

その悩みは多くの現場で聞かれます。
流量が変動する設備では、台数制御だけだと動力が過剰になりやすい傾向があります!

やはりそうなのですね。
インバーター化も気になっていますが、能力が足りなくならないかが不安です。

ポンプの能力表をもとに選定すれば、必要な能力を維持したままインバーター化できます!
結果として電力やCO2の削減にもつながりますよ。

冷却水ポンプは「止められない設備」であるため、運転方法の見直しが後回しになりやすい設備です。結論から言うと、台数制御だけの運転では、負荷変動に対してムダが出やすい傾向があります。

  • 必要以上の電力を使用しているケースが多い
     最大負荷を想定した運転となり、部分負荷時でも電力を消費し続けることがあります
  • ポンプやバルブの劣化が早まりやすい
     高回転での運転が続き、軸受やシール部の摩耗が進行しやすくなります
  • 保全対応が後追いになりがち
     突発停止への対応が増え、計画的な保全が立てにくくなります

確かに、止まってから対応する場面が多くありますね。

そのため、運転の仕方自体を見直しておくと安心です!

右図のように、バルブ調整や、ポンプ台数だけで制御した場合よりもポンプの回転数を制御(インバーター制御)した方が、電力を低減できます。

今回の場合も、台数の制御のみで送水していたため、右図と同じような効果が期待でき経済的です!

愛知県三河 自動車工場様

問題点

自動車工場の冷却水設備では、水中ポンプを複数台使用し、台数制御による運転を行っていました。負荷に応じて台数を切り替える方式でしたが、実際には余裕を見た設定となっており、電力を過剰に使用している状況がありました。さらに、高回転運転が続くことでポンプの経年劣化が早まり、保全負荷が増加している点も課題となっていました。

改善点

現状の水中ポンプを撤去し、既存設備の一部改造を行ったうえで、フレッシャーポンプ(地上設置型ポンプ)を導入し、インバーター制御化しました。事前に電力測定を実施し、ポンプ能力表を用いて必要流量・揚程を整理しています。負荷に応じて回転数を制御する構成とし、手動台数制御から自動台数制御へインバーター化しました。

現状フロー

設備が冷却水を使用すると、電磁弁が開き、水が流れるが、流れるタイミングにて圧力が下がってしまうため、ポンプをすべて回し、圧力が下がらないように高圧力にて送水し続けている状況(全てのポンプが100%運転)

  • 設備の負荷に合わせてポンプを制御するのではなく、圧力を見て台数を自分たちで調整している状況
  • ポンプの適正台数運転が合っていない状況にて運用

変更フロー

圧力を設定しそこに合わせてポンプの台数、及びインバーター制御を行う、圧力に合わせ自動でポンプ運転、停止が行われ、負荷に応じた適正運転の実現

  • 自分たちで台数や圧力を制御する必要がなく、自動で制御
  • 負荷に応じ、ポンプの適正台数運転、及びインバーターによる回転数制御が自動で行われる

お客様の声

インバーター化と台数制御の比較表を見ながら検討できたため、判断がしやすかったです。ポンプが1台構成になり、日常の点検や管理も楽になりました。電力やCO2削減につながる点も評価しています。

電力測定から更新ポンプの選定、設置工事まで一貫して対応できたことが、無理のない省エネ更新につながりました。

初期投資はありますが、管理面まで含めると納得できる内容なのですね。

うまくいった現場には、いくつか共通点があります。単なる機器更新ではなく、運用まで見据えている点が特徴です。

フレッシャーポンプ・インバーター化の成功ポイント4つ

  • 現状の電力を測定してから検討している
     実測データをもとに検討することで、過不足のない選定ができます
  • 手動で台数を決定していたのを自動で行うようになった
     ポンプ1台+インバーター構成とすることで、管理点が減ります
  • 保全のしやすさを重視している
     点検箇所が減り、計画保全につなげやすくなります
  • インバーター制御を現場で自作しない
     制御が不安定になり、トラブルが増えるケースもあります
Q
現状のポンプ能力を維持したままインバーター化できますか?
A

可能です。ポンプの能力表を用いて、必要な流量・揚程を満たす機種を選定します。

Q
台数制御と比べて管理方法は変わりますか?
A

フレッシャーポンプユニット1台構成となるため、日常点検や管理は簡易になります。
自動制御ポンプの日常管理はこちらの記事はこちら

Q
どのような状況にもフレッシャーポンプは設置可能ですか?
A

水質により不向きな場合がありますので、検討される時にはメーカーなどの確認が必要です。
検討される際はお気軽にお問い合わせください。

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冷却水送水ポンプは、止められない設備であるがゆえに、従来の運用がそのまま続いているケースがあります。しかし、負荷に合わない運転は電力費の増加だけでなく、CO2排出量の増加や保全負荷の増大にもつながります。

インバーター化は、省エネやカーボンニュートラルへの取り組みとしても有効であり、設備を長く安定して使うための選択肢の一つです。
まずは現状を把握し、無理のない更新計画を立てておくことが、持続可能な工場運営につながります。

大倉 一淳

大倉 一淳

豊安工業株式会社 プラント管理部2課 係長
得意分野:プラント配管工事、工場新築、改修工事衛生設備

工場のプラント管理や営業に従事。溶剤配管の選定や施工方法の提案に特化し、耐震補強に伴う設備移動やユーティリティー配管の迂回設計にも実績がある。自動車部品製造工場や食品工場での施工管理を通じ、多岐にわたるニーズに応える柔軟な提案力を発揮している。