
毎年きちんと定期整備はしています。
それなのに、ある日突然コンプレッサが止まってしまって…正直、想定外でした。

実はそのケース、かなり多いです!
整備をしているからこそ長く使えている。でも“別のところ”が先に限界を迎えることがあります。

整備しているのに古い、というのが不思議で…。

そこがポイントですね。
今回は“整備しているからこそ起きる不具合”を整理してみましょう!
過去10年の不具合事例から見えた全体像
「古いコンプレッサは壊れやすい」と言われがちですが、実際は少し違います。
弊社で過去10年分のコンプレッサ不具合案件を確認したところ、圧縮機(エアエンド)そのものの不具合はほとんどありませんでした。
その理由は明確です。多くの工場で、圧縮機(エアエンド)に対して毎年きちんと定期整備を行っているからです!
その結果、10年以上使用しているお客様先が数多く存在しています。
※そもそも定期整備を行っていないお客様先は少数です
※定期整備の具体的な内容は、すでに多くの情報が出回っているため本記事では割愛します。
ここで大事なのが「古いコンプレッサ」の考え方です。
定期整備をしているから10年以上使えている=古いのであって、整備をしていなければ数年で壊れている可能性が高い、というのが実情です。
定期整備外で起きやすい“突然停止”の正体
結論から言うと、10年以上使用しているコンプレッサは、定期整備をしていても壊れるポイントがあります。
しかもそれらは、定期整備の計画に含まれていないことがほとんどです。
よくある不具合の傾向
- 水冷式コンプレッサのオイルクーラー・アフタークーラーの閉塞やピンホール漏れ
→冷却不良により温度異常で停止 - メイン基板やインバーターなど電装部品の経年劣化
→予兆なく停止し、原因特定に時間がかかる
これらの不具合は目視では劣化を判断できません。
そのため、ある日突然止まり、現場が右往左往するケースが多いのが現状です。

前日まで普通に動いていたのに、というパターンですね。

まさにそれが、定期整備外トラブルの怖さです。
定期整備では拾えなかった具体的な改善事例
水冷クーラーの閉塞が原因で温度異常停止した事例
愛知県 製造業工場様(約200名規模)
問題点
愛知県の製造業工場(約200名規模)では、水冷式コンプレッサを長年使用していました。定期整備は毎年実施していましたが、ある日、温度異常で突然停止。調査の結果、オイルクーラー内部が閉塞しており、冷却性能が著しく低下していました。外観からは異常が分からず、整備計画にも含まれていない箇所でした。
改善内容
対策として薬品洗浄によるクーラー内部洗浄を実施。分解交換ではなく洗浄対応とすることで、工期は1日、延べ2名、予算も抑えた対応ができました。内部の詰まりを除去し、冷却性能を回復させています。


閉塞気味で水量が少ない


閉塞が解消され水量が増えた

泥のようなものでかなり閉塞していた
お客様の声
洗浄後は温度異常による停止がなくなり、安定運転を継続しています。「定期整備をしていれば安心だと思っていたが、盲点があった」との声もあり、設備の見方が変わったきっかけになりました。

定期整備に含まれない“熱交換部の内部状態”まで確認するのが現場目線です。

止まらなくなっただけで、現場の安心感が全然違いますね!
電装部品の経年劣化をきっかけに更新を選んだ事例
愛知県 製造業工場様(約300名規模)
問題点
愛知県の製造業工場(約300名規模)では、長年使用していたコンプレッサが電装部品の故障で停止しました。メイン基板やインバーターなど、経年劣化によるトラブルで、復旧までに時間を要しました。他の電装部品も同様に年数が経過しており、再発リスクを抱えた状態でした。
改善内容
単純な修理だけではなく、定期整備計画とあわせて更新計画を整理し、将来を見据えた提案を実施。設計部が作成した更新計画資料をもとに検討し、最終的に設備更新を選択しました。



お客様の声
更新後は異常停止がなくなり、安定稼働を実現。「高額部品を交換し続けるより、判断しやすかった」と評価されています。

高額部品を替えるか、更新するかは“設備全体の年齢”で判断します。

更新時期の目安が整理できて、社内説明がしやすかったです!
整備と更新をどう判断するか、成功の分かれ道
これらの不具合は、多くの場合定期整備計画に含まれていません。
さらに、機種によっては即日対応が難しく、復旧まで数日かかることもあります。
経年劣化を考慮してクーラーや電装部品を個別に交換することもできますが、金額が高額になるケースも少なくありません。
特に、おおよそ4~6年周期で大掛かりなオーバーホールを行う設備では、12~18年の間で更新を検討するケースが多いのが実態です。
整備・更新判断3つ
- 定期整備だけで延命するのか
- 高額部品を交換するのか
- 設備全体を更新するのか
この判断を“止まってから”行うと、選択肢は一気に狭まります。
よくある質問
2026年1月時点では、該当する補助金公募は展開されていません。
工場ペディア編集部からのメッセージ
「整備しているのに止まる」を想定内に変える
定期整備は、コンプレッサを長く使うための土台です。ただし、10年以上使い続けた設備には、整備では拾えない経年劣化が必ず出てきます。
定期整備計画に加え、定期整備外=更新計画を事前に用意しておくことで、突然の生産停止リスクを減らせます。
補助金や年度計画も視野に入れた更新準備は、省エネやCO2削減、BCP対策にもつながります。止まってから悩むのではなく、止まる前に考える。それが、これからのサステナブルな工場運営の鍵です。

この記事を監修した人

榊原 均
豊安工業株式会社 プラント管理部1課 課長
資格:1級管工事施工管理技士
得意分野:プラント配管工事及び給排水衛生設備配管工事
15年以上にわたり工場や事務所の新築・改修・修繕・改善工事の施工管理を担当。配管設備の設計や営業にも従事し、配管および付帯機器の選定に関する高度な知識と経験を有する。豊富な現場経験を活かし、大規模な工事から細やかな改善工事まで幅広い対応力を発揮している。




