
現状ポンプが商用電源運転になっていて、使用していない時も動き続けてもったいない気がします。
それに、改善や更新を行うにしても設置スペースの制約もあり、なかなか踏み切れないです…。

そうでしたら、加圧給水システム(フレッシャーポンプ)を導入することをおすすめします!
インバーター制御を組み合わせて必要水量に合わせた自動運転を行うことができますし、少ないスペースに設置でき、既存のポンプを極力停止させずに工事の準備を行うことができます。

それなら現場にも適応できそうですね!
省エネにつながるなら社内でも提案しやすいです。

まずは流量を計測するところからです。
図面化したうえで機器を選定すれば、無駄のない設計が行えますよ!
加圧給水システムで圧力安定と省エネを両立
生産設備にとって、水圧の不安定は製品不良やトラブルの要因になります。
加圧給水システムを導入すれば、安定した給水と省エネ効果の両立が図れます。
水圧の安定と電力消費の削減
加圧給水システムは、ポンプで水を加圧して必要な圧力を維持する構造です。
圧力タンクを組み合わせることで、ポンプの起動・停止の回数を減らし、機器への負荷も抑えられます。
インバーター制御を活用することで、実際の水使用量に応じてポンプの回転数を調整でき、電力の無駄を抑えることができます。
こうした構成により、水圧の安定とエネルギー効率の向上が両立できます。
加圧給水システムの仕組みと構成要素を理解しよう!
加圧給水システムは、ポンプ、圧力タンク、そして制御装置で構成されています。
それぞれの役割や働きを理解することで、自社に最適な導入計画を立てられるようになります。
主な構成機器の役割と制御のしくみ
ポンプは水に圧力をかけて給水を行う中核機器です。圧力タンクは給水圧力の変動を吸収する役割があり、ポンプの頻繁なオンオフを避けることで機器寿命を延ばします。
制御装置には、インバーターが搭載されるケースが多く、必要な流量に応じてポンプの回転数を制御する機能を持っています。これにより、設備の運転を最適化し、安定した給水が維持されます。


設計時に見落としがちな注意点とは
加圧給水システムの導入では、設置環境や制御方式の選定、保守性の確保など、複数の視点での検討が必要です。
選定ミスやスペース不足が後のトラブルを招く
見落としがちな設計時の注意点
インバーター制御と定圧制御の違いを理解しないまま機器を選定すると、期待した性能が得られないこともあります。
また、スペースに余裕がない現場では、設置できる機器が限られるため、フレッシャーポンプのような省スペース設計の製品を視野に入れる必要があります。さらに、保守作業の動線を確保しないと、点検や修理の際に支障が出る恐れもあります。


まずは、写真のように加圧給水システムの設置スペースを図面化し、設置スペース・保守作業動線の確保を行います!
効率的な導入のために押さえたい提案ポイント
流量調査と図面設計、制御方式の選定ポイント
提案ポイント3つ
- 流量測定の実施
- 工場内の給水使用量や変動状況を把握するために、まず流量を測定 - 設備配置の図面化
- ポンプや受水槽の配置を図面化し、限られたスペースでも無駄のない設置を計画 - 制御方式の比較検討
- 定圧制御とインバーター制御の特徴や導入・運用コストを比較し、最適な方式を選定

計画的な調査・設計・比較検討を行うことで、現場に合った最適なシステムを導入しやすくなりますよ!
フレッシャーポンプで省スペース化できた事例
加圧給水システムの比較表でコストを比較!
問題点
ある工場では、少ない設置スペースの中で給水加圧システムを導入する必要がありました。
導入前に給水加圧システムの手法を検討したところ、フレッシャーポンプと自作でシステムの構築をした場合で大きな差が出ました。
※フレッシャーポンプは圧力制御・水量検出による自動発停を搭載した省スペース型の汎用ユニット品になります

比較・検討結果
自作でシステムの構築を行いフレッシャーポンプと同等の制御を行うように組んだ場合は、おおよそ3倍近くのイニシャルコストが発生することが試算されました。
検討の結果、省スペース化とイニシャルコストを削減できるフレッシャーポンプが採用されました。
よくある質問
事前にレイアウトの設計が必要ですが、フレッシャーポンプなどの省スペース対応製品を選べば、設置が実現できる場合が多いです。
使用量に応じてポンプの回転数を変えられるため、エネルギーを効率的に使うことができ、運用コストを抑えられます。
用途によりますが、柔軟な運転を求める場合はインバーター制御、シンプルで一定圧力を保ちたい場合は定圧制御が向いています。
工場ペディア編集部からのメッセージ
加圧給水システムは省エネと効率化の鍵になる
加圧給水システムの導入は、単に水圧を補うだけでなく、設備全体のエネルギー効率やメンテナンス負荷の軽減にも直結します。
特に、インバーター制御による運転最適化や、圧力タンクの併用によるポンプ寿命の延伸は、長期的なコスト削減につながります。
図面化を通じた設計は、狭い現場でも無駄なく設備を組み込め、BCP対策や省エネ投資にも適したアプローチです。
今後は、低炭素社会やSDGsの観点からも、省エネ型設備の選定が求められています。加圧給水システムはその省エネの第一歩となるでしょう。

この記事を監修した人

大倉 一淳
豊安工業株式会社 プラント管理部2課 係長
得意分野:プラント配管工事、工場新築、改修工事衛生設備
工場のプラント管理や営業に従事。溶剤配管の選定や施工方法の提案に特化し、耐震補強に伴う設備移動やユーティリティー配管の迂回設計にも実績がある。自動車部品製造工場や食品工場での施工管理を通じ、多岐にわたるニーズに応える柔軟な提案力を発揮している。