
耐震対策って言われても、正直どこまでやればいいのかピンとこないんですよ。
地震で配管が破断したら…と思うと不安はありますが、対策のイメージが湧きません。

現場では“どこが揺れるのか”と“どれくらい動くのか”が分からないまま運用しているケースが多いですね。配管支持の種類や、建屋をまたぐ部分のフレキ処理を見直すとグッと安心に近づきます!

なるほど…固定だけじゃなくて、動きを逃がす部分も考えないといけないわけですね!

そうなんです!
今日お伝えするポイントを押さえるだけで、“どこまで対策できているのか”が一気に分かりやすくなりますよ。
配管の耐震対策で悩みやすいポイント
地震対策と聞くだけで、どこまで手を入れるべきか迷ってしまいますよね。
特に既設配管が多い工場では、「影響範囲が大きそうで踏み出せない」という声もよく聞きます。
結論から言うと、配管は“揺れを受け止める場所”と“揺れを逃がす場所”を明確に分けることが大切です。
よくある悩み
- 耐震と言われても、具体的に何をすれば良いか分からない
→支持金具の種類や取り付け方向で、大きく耐震性が変わります - 建屋をまたぐ配管の処理が曖昧
→建屋同士の揺れが違うため、破断や応力集中が起きやすい部分です - 既設配管が多く、どこから手を付けるべきか判断できない
→優先順位付けが大切です
放置すると起きやすいトラブル
- 地震時の配管破断
- 破断による生産停止
- 補修費の増大
- 危険物系配管の場合は安全リスクの上昇



建屋横断部は“揺れが違う”という前提で見ると、対策すべき場所が一気に見えてきますよ。

現場でも『なんでここだけ揺れ方が違う?』と感じることがありますね…
配管耐震の主な対策方法
対策方法を3種類紹介
- A種・B種配管支持の適正配置
揺れを受ける部分と固定する部分を分け、応力を逃がしやすくします - 建屋横断部のフレキ設置
異なる揺れの建屋間をつなぐ部分は、変位吸収が必須です - 支持金具の見直しと補強
既存支持の不適合を改善し、落下や偏荷重を防ぎます
現場で実際に行った耐震対策の事例
事例1、A種・B種支持で既設配管の揺れを整理
愛知県 自動車部品工場様
工場規模:大型
施工費用:500万円
問題点
地震対策がほとんどされておらず、長年の増設で配管支持の種類もばらついていました。特にA種B種という固定方法を実施しておらず、「震災などに対応できないのでは?」という不安が高まっていました。
改善内容
A種、B種支持を取っていなかったので、適正な支持間隔で上記の支持を取り付けました。
平日は生産を行っている工場のため週末で工事を行いました。
お客様の声
地震時に破断する可能性が大きく下がり、設備停止の不安がかなり軽減されました。「どの支持が何の役割なのか分かりやすくなった」と現場の評価もあり、管理がしやすい配管レイアウトになりました。



支持金具は“つければ良い”ではなく、役割を決めて配置することが最重要なんです。

以前より安心して運用できています。現場でも説明しやすくなりました。
事例2、建屋横断フレキで揺れの差を逃がす
愛知県 自動車部品工場様
施工費用:200万円
問題点
建屋をまたぐ主要配管が、そのまま硬くつながれている状態でした。建屋間は揺れの周期や変位量が違うため、その差を吸収できず、地震時には破断リスクが高いことが懸念されていました。
改善内容
横断部にフレキを取り付け、建屋間の変位を吸収できる構造へ変更しました。
特にフレキは水平より垂直方向の方が変位吸収しやすいという特性を活かし、より安心感の高い取り付け方向を採用しました。
お客様の声
大地震が起きた際の破断リスクが大幅に下がり、設備停止の心配が減りました。「建屋横断はずっと気になっていた部分なので、対策できて安心した」との声をいただきました。


建屋横断部は“地震のクセ”が出やすいので対策優先度が高い場所なんです。

フレキの向きでそんなに違うとは…勉強になりました!
成功した現場に共通するポイントと導入のコツ
耐震対策というと大がかりに感じますが、成功した工場には共通点があります。
成功ポイント
- 揺れを受ける場所・逃がす場所の役割を明確にした
- 建屋横断部の変位を軽視しなかった
- 既設配管のクセを把握し、優先順位を付けて対策した
- 現場が運用しやすい支持方法を選んだ
よくある失敗・注意点
- フレキを水平に取り付けてしまう(変位吸収が十分にできないため、長さの長いフレキを取り付ける必要がある)
- 耐震に向かない支持金物が混在したまま対策が進む
- 増設工事で耐震思想が引き継がれない
よくある質問
配管の“揺れ方”を整理して、固定する場所と動かす場所を決めます。支持金具の種類(A種・B種)を変えたり、建屋横断にはフレキを入れたりして、破断しにくい流れを作ります。
建屋や配管の条件で変わります。耐震支持の規格に基づき、建物の揺れを想定して“どこまで変位に耐えられるか”を設計していきます。厳密な震度保証ではなく、破断リスクをどれだけ下げられるかが重要です。
建屋はそれぞれ揺れ方が違うため、硬くつなぐと破断しやすくなります。フレキはその差を吸収する役割があり、耐震対策では非常に効果的です。
お役立ちダウンロード資料
工場ペディア編集部からのメッセージ
配管耐震は「固定」と「逃がす」の発想で一気に分かりやすくなる
地震対策は「とにかく補強すれば良い」と思われがちですが、実際は“揺れをどう流すか”の考え方がとても大切です。今回の事例のように、支持の種類を整理したり、建屋横断部にフレキを入れたりするだけで、破断リスクはぐっと下がります。
工場の安定稼働は、省エネや生産性向上と並んで企業のBCP対策にも直結します。持続可能な工場づくりのためにも、耐震対策は早めに見直しておくと安心です。専門的な部分は私たち編集部や専門技術者がお手伝いできますので、気になる箇所があればいつでもご相談ください。


仲山 佳丈
豊安工業株式会社 プラント管理部1課 係長
資格:1級管工事施工管理技士、給水装置工事主任技術者、第二種電気工事士
得意分野:プラント配管工事
配管設備の営業や施工管理を中心に、自動車部品製造工場での改修・修繕・改善工事を多く手掛けてきた。配管部材や機器の特性、仕組みに精通し、適切な選定と設計で高い評価を得ている。また、課内で1級管工事施工管理技士の勉強会を主導するなど、後進育成にも取り組んでいる。




