
最近工場裏手の排水が流れにくくて困っています。
原因が分からないんですが…

長年使用されている屋外排水管であれば、木の根が侵入して詰まりの原因になっている可能性があります。特にインバート枡や管の接合部は、根が入り込みやすいんです!

見えないところでそんなことが起きているんですね…
対処できるのでしょうか?

もちろん対応できますよ!
まずは カメラで管内を調査し状態を確認し、そのうえで高圧洗浄や専用カッターを使って根を除去することができます。埋設位置を表示しておくことで、将来的なメンテナンスにも役立ちます。
屋外排水管の詰まりは「木の根」が原因?
屋外で起こる排水トラブルは、単なるゴミ詰まりでは済まないことがあります。
長年使用されている埋設配管では、木の根が侵入して詰まりを引き起こしているケース が見逃されがちです。
見えない排水管内部で進行する木の根詰まり
排水管の詰まりと聞くと、油やゴミの蓄積を思い浮かべる方も多いかもしれません。
屋外では 木の根が静かに配管内へ侵入し、詰まりや破損を招いているケースが少なくありませんので、インバート枡の継ぎ目や、地盤沈下によってできた隙間は根が入り込みやすい部分です。
一度侵入した木の根は放置しても自然に解消することはなく、むしろ成長して症状を悪化させます。まずは詰まりの原因や仕組みを理解することで、より効果的な対策につながります。
なぜ木の根が排水管やインバート枡へ侵入するのか
木の根が排水管内に入り込む主な原因は、経年劣化や地盤沈下によって生じる配管接合部のわずかな隙間です。
水分を求めて根が侵入し、詰まりを引き起こすメカニズムを理解しておきましょう!
木の根は「水」を求めて成長するから侵入する
木の根は非常に繊細で、水分のある方向へ伸びる性質を持っています。
屋外排水管のインバート枡やパイプ接合部では、次のような理由から隙間が生じることがあります。
隙間が生じる理由
- 経年劣化による接合部のゆるみ
- 地盤沈下による継ぎ目の変形
- 施工時のわずかな不陸やズレ
こうしたわずかな隙間に毛細根が入り込み、管内で成長していくと、徐々に広がって排水を妨げます。さらに、放置すると根が太くなり、最終的には排水の流れがほとんど遮断されてしまうこともあります。


このように、排水管内部で静かに進行するトラブルだからこそ、早期発見と対策が重要です!

木の根での排水詰まりを洗浄で解決した事例紹介
木の根による排水詰まりをカメラ調査と洗浄で解決した事例
愛知県 自動車部品工場様
問題点
敷地内の排水が頻繁に詰まり、現場でも対応に苦慮していました。
原因を調べるために排水管内をカメラで確認したところ、埋設排水配管が植栽付近に施工してあったため、木の根が接合部から侵入し、内部で成長して流路を塞いでいることが分かりました。
経過年数によって木の根が成長、浸食されていたのです。
改善内容
専用カッターで根を切除したうえで洗浄を行ったところ、詰まりが解消され、スムーズな排水が回復しました。目視できない埋設管でも、調査によって確実に原因を突き止め、適切な処置が行えました。
お客様の声
以前は排水管がまったく詰まらなかったのに、ここ1年くらいで調子が悪くなりました。

配管内のどの部分に異常があるのか、人目で判明する

原因が分からず、高圧洗浄やバキューム車にて緊急的に対応していましたが、改めてカメラで調査をした所、木の根が原因だったことには驚きました。


木の根によるインバート枡内の排水詰まりを清掃で解決した事例
愛知県 自動車部品工場様
問題点
敷地内の排水が頻繁に詰まり、現場でも対応に苦慮していました。
原因を調べるために確認を行ったところ、埋設排水配管が植栽付近に施工してあり、経過年数によって木の根が成長し、インバート枡の内部に木の根が入り込んだことで排水の流れを大きく妨げていることが分かりました。
改善内容
作業員が枡内に潜り込み、直接根を除去する清掃作業を実施したところ、排水は正常に流れるようになりました。さらに、根の侵入源となっていた付近の植栽についても、今回の工事に合わせて撤去を行い、今後の再発防止につなげました。
お客様の声
詰まりの原因が勾配不良や食堂の排水(グリース)が原因だと思っていましたが、原因が判明し直って良かったです。


よくある質問
周囲に樹木がある場所では、10年程度で発生するケースが多く見られます。
除去しても周囲の環境次第で再発することがあります。
管内カメラで調査すれば、詰まりの原因を目視確認できます。
軽度であれば半日程度で対応可能ですが、状況次第で1~2日かかる場合もあります。
工場ペディア編集部からのメッセージ
排水設備のトラブルは早期発見・対応がカギです
排水管の詰まりは、日常業務の中では見落とされがちな問題です。
ただ放置すると排水不良や周辺環境への悪影響が発生し、復旧に時間やコストがかかるケースもあります。
特に木の根による詰まりは目視では確認できず、気づいたときにはかなり進行していることがほとんどです。
今回ご紹介したカメラ調査の結果から、適切な対策を講じることが重要になります。
排水設備のメンテナンスは後回しにされやすい分、計画的な点検と対処を行うことで、安定した操業環境を維持することにつながります。目に見えない場所だからこそ、日頃からの丁寧な管理が欠かすことができません。

この記事を監修した人

榊原 均
豊安工業株式会社 プラント管理部1課 課長
資格:1級管工事施工管理技士
得意分野:プラント配管工事及び給排水衛生設備配管工事
15年以上にわたり工場や事務所の新築・改修・修繕・改善工事の施工管理を担当。配管設備の設計や営業にも従事し、配管および付帯機器の選定に関する高度な知識と経験を有する。豊富な現場経験を活かし、大規模な工事から細やかな改善工事まで幅広い対応力を発揮している。




