
最近、週明けの蛇口から茶色い水が出ることがあります。
配管の見た目は問題なさそうなのに、内部が腐食しているのでしょうか…

それは配管内で錆や汚れが蓄積しているサインかもしれません!
特に鉄管の場合、内部腐食が進んでいても外からはわからないのです。

やはりそうなのですね、見えない部分って不安ですね。
どのタイミングで更新すればいいかもわからなくて…

配管の材質や使用年数、使用状況に応じて判断が必要です。
分割的な更新や計画的な点検で無駄なく進めることができますよ!
更新時期の見極めが難しい理由とは?
給水配管の更新が遅れると、漏水・水質劣化・生産停止といったリスクにつながります。
見た目で判断できない“給水配管の落とし穴”
なぜ見極めが難しい?見えない部分の老朽化に気づかないケースも
給水配管の多くは壁の中や地中に埋設されており、日常の点検では劣化の進行に気づきにくい構造になっています。
特に鉄管の場合は、内部から腐食が進行するため、外見が健全でも内部は深刻な状態ということもあり、
保温材で覆われている配管では、保温材の継ぎ目から水が入り込むことで外部が徐々に劣化していくケースもあります。



こうした“見えない”部分の劣化を放置すると、漏水事故や水質悪化に直結するため、注意が必要です!
そもそも給水配管とは?
配管には種類があり、それぞれ耐用年数や劣化要因が異なります。
配管の種類と耐久年数
配管更新を検討する際に知っておきたい基本情報
給水配管には、鉄管、銅管、ステンレス管、樹脂管などさまざまな種類があります。
一般的な配管の耐久年数はおおよそ15~20年程度と言われていますが、30年以上前に敷設された鉄管は、すでに腐食が進行している可能性があります。
配管の種類によって、腐食に強いものや、軽量で施工しやすいもの、耐圧性に優れたものなど特徴があるため、現場の用途や設置場所に適した材質を選定することで、長寿命化や維持コストの削減につながります!
放置すると危険が!注意すべき老朽化の兆候
老朽化の初期症状を見逃すと、配管破損による生産停止や修理コストの増大といった事態につながります。
代表的な劣化サインを把握しておきましょう!
茶水・水圧低下・水道代の増加に注意
これらの兆候が見られたら速やかに点検・対応を検討すべきです!
- しばらく使用していなかった蛇口から茶色い水が出る
内部の腐食や錆の蓄積によるもの - 水圧の低下や最近水道代が増えたと感じる
すでに見えない所で漏水している可能性
水の出が悪いなどは配管内部の錆や汚れが蓄積され起こることもあり、目視では確認できない保温部の配管でも、外部にシミや、水垂が発生している場合は劣化のサインです!


- 古い配管は鉄管で施工されていることが多いため、内部腐食しているかもしれません


- 保温が劣化し保温内部に水が入ると、保温をやり替えても配管が漏水することもあります
計画的な更新のすすめと実践ポイント
分割更新と配管選定で効率的な保全を
更新は一度に行うと高コスト!将来を見据えた更新計画を立てることが重要
更新計画を立てる際は、「すべて一気に交換する」のではなく、使用頻度や劣化状況に応じて優先順位をつけ、段階的に更新していく方法が現実的です。
その際、設置場所や用途に合った配管材質の選定も重要になります。
例えば、外気にさらされる場所では耐候性の高い材質を、飲料水系統には衛生性の高い材質を選ぶといったように、将来の設備構想も含めて最適な配管設計を行いましょう。
見えるように施工することにより、より早く異変に気付く事もできます。

- 塗装しても経年劣化で外面が錆びることもあります
材質の見直しで耐久性が向上した事例
成功は計画的な更新計画!予算内で配管トラブルを防止した事例
愛知県豊田市 自動車部品製造工場様
問題点
30年以上使用していた給水配管の保温を新しくしたが、劣化により水漏れが発生し、補修を行ったが、次々とピンホールができ、水漏れが断続的に続いていました。その度に製品が濡れてしまったり、人にかかったりと対応に追われていました。
また、休み明けに蛇口から水を出すと茶水が出るようになり、しばらく出してからでないときれいな水が使用できない状況になりました。
しかし、配管の更新をするにも規模が大きく、全てを一度に更新することは非常にコストがかかり、その場しのぎの修理対応しかできていませんでした。
改善内容
はじめに、配管状況の確認(配管肉厚測定、抜管、水質検査等)を行い、配管の更新範囲を区切り、水漏れするリスクが高い所から更新を行うことにしました。そうすることにより計画的に予算を組むことができ、最終的には工場全体の給水配管を更新することができました。
1、水漏れ状況

2、保温撤去状況

3、ピンホール補修状況

4、更新後状況

お客様の声

水漏れするリスクの高い所から順番に配管更新することができ、水漏れや茶水がでる心配がなくなりました。それに、更新範囲を区切ることにより、予算内で工事を進めることができました!
よくある質問
一般的には15~20年が目安ですが、材質や使用状況により変わります。30年以上経過した鉄管は早急に点検を推奨します。
すぐに健康被害が出るとは限りませんが、配管内の錆や汚れが原因の可能性があるため、更新や点検を検討してください。
分割的な更新計画を立てることで、予算に合わせた段階的な対応が可能です。
まずは現在、問題となっている所から更新を行い、計画的に予算取りを行うことが重要です。
工場ペディア編集部からのメッセージ
見えない部分の劣化に早めの対処を
給水配管の老朽化は、見た目では判断が難しく、気づかないうちに腐食や漏水が進行していることがあり、そのまま放置すると、製造ラインの停止や施設全体への影響といった深刻なトラブルを引き起こす恐れがあります。
だからこそ、目に見えない部分も含めて定期的な点検と更新の計画を立てることが、工場運営の安定にとって重要です。
問題があるときに改修や更新を行うのはもちろんですが、問題が出る前に、配管の調査を行い、腐食する可能性を事前に把握し、全体を一気に更新するのではなく、必要な場所から順に見直すことで、予算を抑えながらリスクを減らすこともできます。
埋設部や隠ぺい部を減らし、「見える化」することにより、いち早く異変に気付くこともできるようになります!
問題が起こってからの対処ではなく、問題が起こる前の処置を行うことで、より永続的な工場の存続へとつながります。まずはお気軽にお問い合わせください。

この記事を監修した人

高須 康太郎
豊安工業株式会社 第2プラント管理部
資格:管工事施工管理技士 1級
得意分野:給排水衛生設備工事
製造業を中心とする食品工場や自動車部品工場、中小企業から1部上場企業まで幅広いクライアントの建物の改修や新築工事における給排水衛生設備工事を多く経験している。社内での教育活動やお客様向けの勉強会においても、その専門知識を活かし給排水衛生設備工事について指導している。