ライン停止は一瞬で起きる!ポンプ1台運転のトラブルリスクとポンプ2台化にするメリットとは?

このライン、ポンプ1台運転で稼働中ずっと運転しているのですが、予備ポンプを持った方が良いでしょうか?

予備ポンプを持っておくのも大事ですが、停止した時のリスクが大きいと思います!

確かに、止まったら生産ラインも止まりますね。
予備ポンプを持っていても、交換する時間も手間もかかりますし…

そうですね。
ポンプを2台設置すれば、片方を整備中でも運転できますし、1台トラブルがあっても生産は止まりませんよ!

目次

ポンプ1台で運転を続けていると、故障時に生産ライン全体が止まるリスクがあります。トラブルが起きてからでは生産ライン停止になりかねません。

水中ポンプは要注意!

陸上ポンプでは異音や振動といった機器の異常の兆候が見られることがあり、故障する前にメンテナンスを行うことはできますが、水中ポンプは、設置個所を見ることができず、電流値や圧力など異常なく動いていても、絶縁抵抗が急に落ち、突発的に停止する可能性があります。

予備機を保有していても、交換には時間がかかり、その間に生産が止まるリスクは避けられません。特に、連続運転が前提のラインでは致命的です。

ポンプ1台での運転
水中ポンプ

ポンプ1台運転では、生産停止するリスクが大きいですし、水中ポンプだとポンプが確認できずに急に停止することもあります!

ポンプを2台にすることで、1台の故障が直ちに生産停止に結びつくというリスクを回避できます。

生産現場にとって、生産停止のリスクは極力なくしたいものです。
また、1台故障しても、もう1台が運転している状況を作り出すことで、生産停止のリスクは大きく低減できます。

2台設置しておけば、1台を停止させても、もう1台で運転を続けられるため、万一の故障でも、すぐに切り替えて対応することができます。
ポンプが故障しても、生産を持続させられるというのは、現場にとって大きなメリットです。

それに、いつもなら生産ラインが停止した時にしかできなかったメンテナンスや取替が、生産に関係なく、メンテナンスや取替を計画的に行うことができるようになります!

ポンプ2台設置

2台設置が理想とはいえ、実際にはスペースや配管、コストの問題もあります。現場でよくあるつまずきポイントを紹介します。

  • 既設ラインにポンプを追加する場合、配管スペースが足りないケースがある
  • 設置位置に制約があり、レイアウト上の制限が発生することが多い
  • 予算が限られていると、「将来的には増設したいが、今すぐは難しい」と判断されやすい

「今すぐ2台は難しい」そんな場合でも、配管の計画を工夫すれば、後からの増設に対応できる準備ができます!

例えば、ポンプの購入が1台分しかできなくても、あらかじめ2台設置を想定した配管を組んでおけば、あとから追加設置がしやすくなります。

制御も自動で切替可能な仕組みにしておけば、故障時の対応もスムーズです。

あらかじめ配管ヘッダーを組付、あとで増設対応可能にしておくことが大切です

愛知県豊田市 自動車部品製造工場様

問題点

新設排水タンクに1台しかポンプが設置予定されていませんでした。

しかし、ポンプが故障した時に排水があふれ、環境汚染のリスクがあることから、将来的に2台つけたいと、配管途中にバルブを入れることにより、段階的に2台構成への移行を進めました。

改善内容

制御盤もあらかじめ2台設置できるように組むことにより、増設時のコスト、工数を抑えることができました。

また、配管途中でバルブ取出しを入れることにより、増設に備えた構成にし、半年後、同型ポンプを追加設置。

制御盤も当初、単独運転の予定だったものを、あらかじめ自動交互運転可能な制御に変更しました。

お客様からの声

故障発生時もラインを止めずに交互運転へ移行できるようになり、突発停止のリスクが少なくなりました。

排水で使用しているポンプだったので、最初は1台でも良かったとは思いましたが、故障した時に敷地外へ流出したリスクを問われ、2台設置して良かったと思っています。

1台故障しても、もう1台が動作してくれるため、生産ラインより発生する排水を停めることなく、修理や取替がしやすくなりました。

単独運転用ではなく、交互運転用の制御盤をあらかじめ設置
Q
ポンプが2台でも、同時に壊れてしまったら意味がないと思いますがどうでしょうか?
A

同時に故障する確率は極めて低く、メンテナンス計画や交互運転でリスクを分散できます。
それ以上に、メンテナンスが計画的に実行できることで、故障リスクをさらに抑えることができます。

Q
自動切替はコストがかかりますか?
A

簡易的な制御構成でも対応可能な場合が多く、必要回路だけならコストは抑えられます。
また、新設する場合、あらかじめ2台にすることを想定し、配管や、制御盤を組んでおけば、2台目の設置がスムーズとなります。
kwによって、既製品の制御盤も販売されていることがあるので、わざわざ製作しなくても、購入することができます。

Q
今の設備に2台目を本当に入れられますか?
A

設置スペースと配管の調整次第で、既存ラインでも2台構成への対応は十分可能です。
どうしたらよいかわからない場合は、まずは、気軽にお問い合わせください。

生産を止めないため、ポンプへの最小限の備え

工場では「ポンプ1台しかない」が当たり前のように続いてしまう現場が少なくありません。

しかし、たった1台の機器が止まることで、ライン全体が止まり、大きな損失につながることはよくあります。また、故障した時の予備機を持っているという話もよく聞きます。

しかし、実際にポンプが停止してから交換をするのにどれほどの労力と時間がかかるか、一度止まったときの損失を考えれば、対策する価値は十分にあります
無理のない範囲からでも始めることができますので、まずは「既存ラインに2台目を入れられるのか?」「配管設計をどうするか?」といった見直しから検討してみてください。

この記事を監修した人

高須 康太郎

高須 康太郎

豊安工業株式会社 第2プラント管理部
資格:管工事施工管理技士 1級
得意分野:給排水衛生設備工事

製造業を中心とする食品工場や自動車部品工場、中小企業から1部上場企業まで幅広いクライアントの建物の改修や新築工事における給排水衛生設備工事を多く経験している。社内での教育活動やお客様向けの勉強会においても、その専門知識を活かし給排水衛生設備工事について指導している。

工場ペディア監修

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