クーリングタワーの水質悪化・スケール・腐食を防ぐ!自動強制ブローシステムで効率的な水質管理と省エネを実現

最近、クーリングタワーの水質が悪化しているようで、スケールや腐食が目立つんです。
年々、水温も上がってきていて困っています。何か良い対策はありませんか?

それなら、自動強制ブローシステムの導入を検討されてはいかがでしょうか?
センサーを使った水質管理により、濃縮を防ぎながら最適に排水することができます。

自動化されていれば、手間も省けて管理が楽になりますね。
省エネや労務時間の削減にもつながるのであれば、ぜひ教えて欲しいです!

はい、その通りです!
ランニングコストやCO₂排出量、労務時間の削減にも効果的ですよ。

目次

クーリングタワーは冷却水を循環利用する設備であるため、運転を続けるうちに水中の溶解物質が徐々に濃縮され、スケールや腐食の原因となります。本記事では、水質管理の重要性と、その対策として注目されているのが「自動強制ブローシステム」です。

冷却水は蒸発を繰り返すことで、水中のカルシウムやマグネシウムなどの成分が濃縮され、スケールの要因となります。スケールが形成されると熱交換効率が大きく低下し、電力消費の増加や設備寿命の短縮につながります。さらに、腐食の進行を招くおそれもあるため、早期の対策が重要です。

冷却塔で起きる水質劣化の仕組みと、それに対応するブロー(排水)処理の基本的な考え方を整理します。

クーリングタワーでは、冷却水の蒸発により純水のみが失われ、カルシウムやマグネシウムなどの溶解性成分が水中に残ります。その結果、水のイオン濃度が徐々に高まり、一定の閾値を超えるとスケールの付着や金属部材の腐食が生じやすくなります。

こうした濃縮を抑えるためには、「ブロー(排水)」によって一定量の循環水を排出し、新たな補給水を加える対応が必要になります。手動での管理では排水の頻度やタイミングにムラが出やすいため、安定した運転を維持するうえでは、自動制御によるブロー運転が有効な手段として注目されています。

水質管理を怠ると、スケールの蓄積や腐食の進行、省エネ効果の低下など、さまざまな問題が顕在化します。ここでは代表的なリスクについて整理し、注意点を紹介します。

水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの成分が結晶化し、配管や熱交換器の内面に付着すると、熱の伝達効率が著しく損なわれます。冷却能力の低下により余分なエネルギーを消費することになり、電力使用量の増加や設備への負荷上昇が懸念されます。

水の濃縮が進むと、塩化物イオンなどの腐食性物質も高濃度で含まれるようになり、金属部材の腐食が加速します。これにより、配管の肉厚低下や熱交換器の損傷が進行し、漏水や突発的な設備故障の原因となります。

手動では対応が難しい時も、自動強制ブローシステムの導入によって、安定かつ精密な制御が実現します。

弊社では、水質センサーを導入して水中の濃度をリアルタイムで監視し、設定した閾値に達した際に自動的に排水を実施するシステムを提供しています。これにより、スケールや腐食のリスクを未然に防ぐことができます。

自動ブローに加えて、薬注装置を併用することでさらに高精度な水質コントロールが可能になります。スケール防止剤や防食剤の投入を自動で制御することにより、より効率的で安全な運用が期待できます。

クーリングタワー自動ブローシステムフロー

弊社が導入支援を行った企業において、自動強制ブローシステムの設置により水質管理が改善され、多くのメリットが得られました。

愛知県西尾市 自動車製造工場様

問題点

お客様は冷却水の水質管理に課題を抱えており、スケールによる熱交換効率の低下が慢性化している状況でした。

対策として、年4回のクーリングタワー清掃を行っていましたが、1ヶ月もすると水質は悪化し、温度異常で生産設備が停止する事が頻繫に発生していました。

改善内容

給水配管に電動弁を設置し自動ブローシステムにより強制ブローを出来るように改善しました。また、薬注装置も併せて設置し(工事費用80万円)結果として、水質改善により冷却性能が上がり温度異常がなくなり安定して生産できるようになりました。

年間電気代及びCO₂を削減する事ができました。(電気代−40万円、CO₂排出量−7t)

また、クーリングタワーの清掃を年4回実施していたが年2回実施に削減する事もできました。

工事前
工事後

お客様の声

クーリングタワーの自動ブローシステムの導入を行った事により、水質が改善され、冷却水の温度が適正になりました。
温度異常による設備の停止がなくなり、安心して生産業務を行えるようになったことと、年間の電気代、メンテナンス費用併せて100万円以上も削減する事ができました。

年間の電気代削減だけでなく、清掃回数も減らすことができ、メンテナンスの手間も省くことができました!

Q
自動ブローは手動より本当にコストメリットがありますか?
A

 はい、ブローの最適化により水・エネルギーの無駄を省けるため、長期的なランニングコスト削減につながります。
あわせて、作業の手間も軽減されるため、労務時間の負担を減らす効果も期待できます。

Q
メンテナンス頻度はどのくらいですか?
A

冷却塔は年に1回以上の清掃必要ですが、定期的にセンサー、電磁弁の状態を確認していただければ、薬注装置の点検程度(年1~2回)で管理がしやすくなります。スケールの付着が大幅に減るので従来と比べて頻度は減ります。

Q
導入までの工期は?
A

機器類の納期は1ヶ月程要しますが、工事は1~2週間程度で完工します。

クーリングタワー管理の自動化は未来への投資

水質管理は冷却システムの安定稼働に直結する重要項目です。

自動強制ブローシステムの導入は、省エネ・CO₂削減・メンテナンス効率化といった複数のメリットが得られる優れた施策です。持続可能な工場運営を目指す上でも、ぜひ導入をご検討ください。SDGsやカーボンニュートラルに配慮した設備投資は、企業価値の向上にもつながります。

この記事を監修した人

石井 建作

石井 建作

豊安工業株式会社 第1プラント管理部
資格:エネルギー管理士、管工事施工管理技士1級、給水装置工事主任技術者、消防設備士甲種1類
得意分野:給排水衛生設備工事

給排水設備、冷却水設備、エアー設備、蒸気設備等の知識に精通。また、プラントにおける熱エネルギー管理について社内やお客様向けの勉強会を行い、教育活動にも携わっている。専門分野は、クーリングタワー、チラー、ポンプ等の冷却水設備工事。主に三河地区の自動車部品工場等の製造業の給排水設備工事及び省エネ・CO₂削減提案を手がけている。

工場ペディア監修

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