新しい配管工事を依頼したいのですが、どんな仕様にすれば良いか迷っています…
どうすればよいでしょうか?
配管工事の仕様は、流体の種類や周囲の環境に応じた材料を選定し、配管材料に合った施工方法で施工する事が重要になります!
なるほど!さまざまな要因を考えて配管工事を行うことが肝心なのですね。
はい!その通りです。広い知識を持ち、さまざまな要因を考慮して工事を行う必要があります。
配管工事の基本について解説していきます。
配管設計の基本
配管工事を適切に行うには、必要流量を満たすための配管口径の選定、施工時の配管勾配の算出、メンテナンスしやすいレイアウトの設計などの知識が不可欠です。
設計を怠ってしまうと運用後にトラブルが生じることがあります。
- 必要な流量が確保できず機械が異常停止する
- 配管の詰まりが発生する
- 機械の点検時に配管が邪魔になる など
正しい配管設計を行うことで、これらのトラブルを未然に防ぐことができます!
周囲環境に応じた配管材料の選定
流体の特性に適した配管材料を選んでも、周囲環境に適さない材料を使用すると配管の耐久年数は短くなってしまいます。
例えば、屋外では耐候性、メッキや塗装工場などの酸性環境では耐腐食性、人や物の往来が多い場所では耐衝撃性が求められ、
流体に合った材料選定はしていても、周囲環境への配慮が不足するケースはよく見られます。
配管材料の選定ポイント
周囲環境に合わせて適切な配管材料を選定し、必要に応じて塗装やカバーで補強することで、配管の耐久年数を延ばし、安定した運用が可能!
配管工事におけるシール剤と保温材の選定
配管用シール剤の正しい選定は、漏洩防止に大きな影響を与えるためとても重要です。
例えば、蒸気用や給水用にはそれぞれ異なるシール剤が必要になり、
ステンレス配管と鉄配管でも使用するシール剤は異なります。
適切なシール剤の選定と施工によって、配管の長期的な漏洩防止が実現できます。
そして、配管保温材も重要になります。
グラスウールやロックウール、ポリエチレンフォームなどを流体温度や環境に応じて選定します。これにより、熱損失を防ぎ、エネルギーロスを最小限に抑えた運用をすることができます。
配管工事の事例2選
1.自動車関連工場での事例
更新工事で最適な配管材料を選定
自動車関連工場では、配管の劣化に伴い大規模な更新工事を行いました。
使用環境と流体種別を考慮して最適な配管材料を選定したことで、耐久性を高めることができました。さらに、適切な保温材の選定により、エネルギー効率が向上し、コスト削減も実現しました。
お客様からは、配管のエネルギー輸送ロスが減ったため助かったとお声をいただきました。
2.食品メーカー工場での事例
改善工事でウォーターハンマーを解消
食品メーカー工場のお客様から、工場の立ち上げ時に蒸気配管でウォーターハンマーが発生し、建物が揺れるとのご相談を受けました。
配管調査を行ったところ、蒸気本管にドレンが溜まる箇所が確認されました。そこで、ドレンポットとスチームトラップの設置を提案し、施工しました。その結果、適切なドレン処理が可能となり、ウォーターハンマーが解消されました。
お客様もウォーターハンマーが解消されたことで建物の揺れも気にならなくなったとお声をいただきました。
実際の工事までの流れ
- お客様へ仕様書を確認
- 現場での調査実施後に打ち合わせ
- 調査結果をもとに工事の見積書を作成
- 工事の段取りを確認し、工事実施し試運転
よくある質問
配管工事は単に接続するだけでは不十分です。
多くの要素に注意を払う必要があり、経験と広範な知識が求められます。すべてのポイントを押さえることで、トラブルを防ぎ、長期にわたって安定した運用が可能になります。詳しくはプロにご相談ください。
シールテープは、配管のネジ山の末端から1山開けて、締める方向に数回巻き付けるのが基本です。
巻き付けた後は、組み付け時にシールテープが空転しないようにしっかりネジに食い込ませましょう。
工場ペディア編集部からのメッセージ
予算内で最大の効果を得るための提案
配管工事では、材料選定から設計、施工までの全体を見通した計画が重要です。
流体の種類や周囲環境に合った適切な選定と施工を行うことで、配管の耐久性が向上し、運用効率も高まります。そして、現場での柔軟な対応も成功の鍵です。
計画時に見落としがちな点を現場で最適化することで、トラブルの発生を大幅に抑えられます。私たちは常にお客様のニーズに応じた最適な提案を行い、効率的な配管工事をサポートしています。
この記事を監修した人
牧原 大嗣
豊安工業株式会社 メンテナンス部メンテ課
資格:ボイラー整備士、一級ボイラー技士、一級管工事施工管理技士、第二種電気工事士
得意分野:ボイラー、燃焼機器全般
メンテナンス部でボイラーや圧力容器の定期点検業務、配管工事に従事。
食品工場や化学工場などの多様な現場で経験を積み、ボイラーや燃焼機器の整備・修理において豊富な知見を有する。
近藤 完哉
豊安工業株式会社 メンテナンス部メンテ課
資格:一級ボイラー技士、第二種電気工事士、二級管工事施工管理技士、危険物取扱者乙種4類
得意分野:ボイラー、配管工事(蒸気)
メンテナンス部でボイラーや圧力容器の定期点検業務、配管工事に従事。
ボイラー点検後の予防保全や既設配管の改善工事を得意とし、多様な現場で経験を積みながら、お客様のニーズに応えるサポートを行っている。