
うちの工場はコンプレッサーが何台もあるのですが、全部手動で運転していまして…
正直、電気代が高くて困っています。

それはもったいないですね。
台数制御盤を導入すれば、使用量に応じて稼働台数を自動調整でき、電力消費もCO2排出も大幅に削減できますよ!

それなら、労務負担も減らせそうですね。
最近は設備管理にも人手が足りなくて困っています…

まさにその通りです!
台数制御でエアー設備を最適化すれば、労力もコストも大きく改善することができますよ。
使用状況に合わないコンプレッサー運転は無駄な電力消費に
手動運転によるムダなコストと排出
CO2削減のために手動運転から自動制御への転換を
使用状況に合わないコンプレッサーの運転は、電気代や管理負担を無駄に増やしてしまいます。手動運転から自動制御への転換が、今求められています。
手動でコンプレッサーを運転していると、実際の空気使用量に関係なく複数台を稼働させてしまうケースが多く、結果として無駄な電力消費が発生します。
これによりCO2排出量も増加し、企業の環境負荷が高まり、誰がどのタイミングでどの台を動かすかといった労務管理の負担も大きくなり、属人的な運用リスクも抱えることになります。
台数制御でどう省エネにつながる?
使用空気量に応じた自動最適運転の仕組み
まずは空気の使用量(デマンド)を監視することから
台数制御は、空気の使用量(デマンド)を常に監視し、必要な時に必要な台数のみを自動で稼働させる制御方式です。
デマンドが高ければ複数台を同時に稼働させ、低ければ最小限の台数に絞ることで、過剰運転を防ぎます。



インバータ制御型コンプレッサーと組み合わせることで、さらなる省エネ効果が期待でき、効率的なエア供給が実現できますよ!
注意すべき運用上の課題
台数制御導入前には、既存の運用状況や設備構成の見直しが重要です。現状を把握せずに導入すると、期待した効果が得られない可能性も。
複数メーカー・容量混在時の管理難易度
コンプレッサーが異なるメーカー・容量・機種で構成されている場合、制御の最適化が難しくなります。
また、インバータ比率が低いと、制御の柔軟性も下がります。導入前には既存設備の詳細を把握し、制御盤の仕様と整合するかどうかの事前確認が重要です。
台数制御の導入による改善効果
電力使用量・CO2排出・労務負担の3つを同時に削減できるのが台数制御の強み。特に労務の自動化メリットは現場の負担軽減に直結します。
稼働最適化で省エネと業務効率を両立
コンプレッサーの稼働台数を自動で最適化することにより、ムダな電力を削減。これがCO2排出量削減にも直結します。加えて、手動運転から解放されることで、日々の労務工数も大幅に削減可能です。これにより保全担当者の負担も軽減し、人的リソースを他業務へ割くことができるようになります。
導入事例
制御盤を導入することで、年間331万円の電気代を削減し、投資回収もわずか1年で実現した事例をご紹介します。
わずか1年で投資回収に成功した事例
愛知県西三河 鋳造工場様
問題点
2台のコンプレッサーがありラインの稼働状況に関係なく常に稼働しており、無駄な電気代を支払っているので何とかしたいとのご相談がありました。
改善内容
手動で運転していた2台のコンプレッサーに台数制御盤を導入した。
導入前の年間電気代は658万円でしたが、導入後は327万円へと削減されました。
お客様の声

初期投資は180万円でしたが
わずか1年で投資回収ができました。結果的にCO₂排出量の削減と労務時間も削減できて満足しております。


よくある質問
複数台のコンプレッサーが稼働している現場であれば、基本的には導入することができます。
ただし、設備構成や制御対象機種によっては対応が必要な場合もあるため、お問い合わせください。
インバータ無しでも台数制御による省エネ効果は見込めますが、インバータ搭載コンプレッサーを併用することで、より高い効果が期待できます。
定期的な点検は推奨されますが、複雑な作業は少なく、通常の設備点検時に一緒に対応することができます。
工場ペディア編集部からのメッセージ
台数制御で省エネとコスト削減を実現
コンプレッサーの台数制御は、単なる省エネのための手段ではなく、CO2削減や労務負担の軽減、さらには投資対効果が明確な改善施策です。特に、複数台運用や手動管理がされている現場では効果が顕著で、導入後は自動化による持続的な改善が期待できます。
今後、SDGsやカーボンニュートラルへの対応が求められる中、設備の見直しは避けては通れない課題です。台数制御はその第一歩として、導入しやすく、効果の「見える化」もしやすい施策です。ぜひ一度、自社のエアー設備の運用状況を見直してみてください。

この記事を監修した人

石井 建作
豊安工業株式会社 第1プラント管理部
資格:エネルギー管理士、管工事施工管理技士1級、給水装置工事主任技術者、消防設備士甲種1類
得意分野:給排水衛生設備工事
給排水設備、冷却水設備、エアー設備、蒸気設備等の知識に精通。また、プラントにおける熱エネルギー管理について社内やお客様向けの勉強会を行い、教育活動にも携わっている。専門分野は、クーリングタワー、チラー、ポンプ等の冷却水設備工事。主に三河地区の自動車部品工場等の製造業の給排水設備工事及び省エネ・CO₂削減提案を手がけている。




